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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#4
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をしている。ジグ────私が普通ではないってどういう意味?

 残されていた食器とカトラリーは【最新化(アップデート)】されているだけでなく、どれも逸品ばかりなので、カデアが料理を作るときは、ここの食器を使うことにした。

 併設されているパントリーが少し小さめなので、支援システムで拡張して、お邸のパントリーから2/3ほど食材を移しておく。いざという時のために常に満杯状態にしておきたいから、どちらも後で補充しておいてもらおう。

 さて、厨房は今のところはこれでいいかな。


 次は────非常口と【転移門(ゲート)】の設置だ。

 厨房は階段の側から突き当りまでを占めている。厨房と扉の並ぶ向かい側の壁との狭間────つまり、塔からの出入口の向かい側の壁に、私は【創造】で扉を創り出した。

 扉を引くと、建物の裏に出る。

 この建物は敷地の裏面寄りに建てられていて、3mほど置いて裏側の鉄柵があった。孤児院の裏側は何故か雑木林が広がっている。

 どうして皇都の城門内に雑木林があるのかは不思議だが、院長先生も知らないとのことだった。

 聞くところによると、誰の土地でもないらしい。誰も手入れをしていないので、鬱蒼としている上、有用な樹木も植物もないし、触るとかぶれる草も生えているらしいので、さすがに子供たちも踏み入ることはしない。

 私は鉄柵を裏面の部分だけ、煉瓦(レンガ)に替えた。続いて、冒険者として森に行くたびに集めておいた大量の石や岩を取り出すと、【創造】を行使して、北棟と壁を繋ぐ煉瓦のトンネルと、石の床を創り出す。

 まあ、材料などなくても、魔力のみでも創り出せるけれど、材料がある方が使う魔力量が格段に減るから、材料を使用することにしている。

 次に、また石と魔石を取り寄せ、煉瓦の壁に頑丈な鉄の扉を創った。何かあったとき、この扉から逃げ出せるし、私たちが北棟から出て来ても、この扉を使って外から来たと思ってもらうためだ。

 仕上げに【最適化(オプティマイズ)】を施す。扉が私たち以外の者に開けられなくなったことを確かめると、【転移門(ゲート)】を取り寄せて、石の床に同化させる。

 後で、こっそり雑木林も通れるように手入れするつもりだ。

 それから、棟の中に戻り、北棟と今造ったばかりの裏のポーチを繋ぐ扉の前に、お邸の玄関ポーチに施されているものと同じ【洗浄(ウォッシュ)】の魔導機構を取り寄せて、【転移門(ゲート)】と同じように床に同化させた。

 これも支援システムの支給品だ。ちなみに、この【洗浄(ウォッシュ)】の魔導機構、ON−OFFが可能らしく、【最適化(オプティマイズ)】によって南棟の正面玄関に施されたものは、OFFに切り替えてある。


 次は──
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