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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第十四章―再生と創造―#3
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でも、かなり使用したし───もう【技能】に記載されているかもしれないぞ」
今度は、レド様が冗談めかして笑う。
「確認してみた方がよろしいのでは?」
ジグまでもが、冗談ぽくそんなことを言う。
「ふふ、そうですね…」
笑いながら返した後────ふと我に返る。あれ、冗談事じゃなくない?
「「「「……………」」」」
レド様もジグもレナスも、我に返ったようで────無言になった。
「……リゼ、確認してみたらどうだ?」
「……そうですね」
私は何となく嫌な予感しながらも、【
現況確認
(
ステータス
)
】を投影する。
【創造】────それが、この“技能”の名称らしいです…。そのまんまだね…。
◇◇◇
建物の中心となる塔────ここは、南棟からしか入れない。
西棟と東棟はこの塔にくっついて建てられてはいるが、出入り口となる扉がないのだ。
私が【
最適化
(
オプティマイズ
)
】する前まで、南棟の厨房の脇にある───塔へ出入り口となる重厚な扉の鍵を、何代か前の建物の所有者が紛失してしまったようで、これまでは塔には入ることが出来なかった。
だから、私が塔に入るのは、これが初めてとなる。
「ここが塔の内部……」
塔は階層分けされておらず、天蓋まで吹き抜けとなっていた。3階相当の高さの吹き抜けだ。お邸のエントランスホールよりも、天蓋まで距離がある。
ここは窓もなく外から覗くことすらできなかったのだが、窓がないというのは勘違いだったようだ。
円い天蓋がステンドグラスになっていて、太陽の位置がずれているからか上空から斜めに光が降り注ぎ、影が床に複雑な模様を描いていた。
塔の中へと踏み込んだ私は、何だか不思議な感覚に襲われた。
この…、すぅっと身体の内側から清浄なものが湧き出てくるような────懐かしい感覚。
この感覚に────私は覚えがあった。
「これは────“神域”…?」
そうだ…、“神域”だ。あの神社の裏山の中腹にあった────あの神聖というに相応しき場所。
でも───あの場所より、何と言うか───弱々しい…?
それに…、何だろう───この…、惹き付けられる感じ。
ここではない───ここと繋がる何処かで、
待
(
・
)
っ
(
・
)
て
(
・
)
い
(
・
)
る
(
・
)
…?
「リゼ?」
レド様の心配そうな呼び声に、私は物思いを中断する。
「どうした?」
「いえ…、ここが古の神を祀った寺院だということを────実感していただけです」
「そうなのか。…そういえば、リゼは【神子】だったな」
レド様が、妙に納得したような表情で呟く。
「リゼ姉さ───リゼラ様、早く
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