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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#1
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「リゼ…、訊きたいことがあるんだが?」
「はい、何でしょう、レド様」

 ジグとレナスと手合わせをするために二人の許へ向かおうとしたところで、レド様に声を掛けられ、私は足を止めた。

「…その格好は?────何で…、今その格好に替えたんだ?」

 今の私の格好は、ラナ姉さんに“失敗作”で作ってもらった巻きスカート風のワンピース姿で、それに特注で作ってもらった魔玄のストラップ付パンプスを履いている。

「あ、これですか?このワンピースは、ラナ姉さんが作ってくれた補佐官用の服なんです。この格好で戦うこともあるかもしれないですから、慣らしておこうと思いまして」
「そうなのか…。さすがラナだ。リゼはそういう格好も似合うな…。とても────綺麗だ」
「…ありがとうございます」

 レド様に綺麗だと言われると、やっぱり嬉しくなってしまう。

「だが、何故、俺との手合わせの後で…、しかも、ジグとレナスとの手合わせでなんだ…?」
「この格好で戦うとしたら────得物は小刀で、相手は暗殺者の類になります。ジグとレナスの得物は暗器が主ですし────二人との手合わせは、人間相手の接近戦の習練にはもってこいですから」

「…それ、ラムルかカデアのときでは駄目なのか?」
「勿論、ラムルとカデアとも、この格好で手合わせしてもらうつもりです」
「………そうか」

 レド様が何を気にされているのか正直解らなかったが、レド様は諦めたようで、次の手合わせ相手────ラムルの許へと向かっていった。


「では────始めましょうか。よろしくお願いします、ジグ、レナス」

 私が、前世からの習いで───二人に向かって一礼すると、二人も頭を下げてくれた。

 私はまだ小刀を取り出さず───徒手のまま、両手を下げて佇んだ。ジグとレナスが、同時に動き出し、私を目指して(はし)る。

 ある程度近づいたところで、ジグが両腕を振るって、私に向かって6本ものナイフを一気に投げた。

 私は後ろ身頃に設けられている左右のポケットに手を入れ、それぞれ小刀を手に取る。

 両手の小刀で絡めとるようにして、私に接近しようとしているレナスの方へ、ジグのナイフを弾き飛ばした。

 それに気づいたジグが足を遅め、レナスに向かったナイフを【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で取り寄せる。

 足を止めることなく接近してきたレナスが、短剣を繰り出す。私はそれを小刀の峰に載せるようにして軌道を逸らし、体勢を崩したレナスの腹に向かって蹴りを放つ。

 レナスが蹴りを避け後ずさると、レナスを援けるように、レナスを追おうとしていた私にジグのナイフが襲ってきた。

 今度は、ジグとレナス────両方に向かうように、左右それぞれ弾く。

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