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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#1
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 私は地を蹴り、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】でナイフを取り寄せようとしているジグへと奔った。ジグに向かっているナイフの追撃のように、持っている左右の小刀を投げる。

 そして、奔りながら新たな小刀をポケットから取り出した。ナイフと小刀を短剣で弾いたジグに、私は両手の小刀を振るった────


 しばらく、そうした攻防を繰り返し────切りのいいところで、武具を下ろす。

「ジグ、レナス────どうでしたか?」

 実は、ジグとレナスに、自動的に魔力を循環させる───自作のピアスを渡していた。

 これは、レド様に差し上げた【記念のピアス】の劣化版で───常時循環させるのでなく、キーワードで作動し、魔力を強制的に廻らせるようになっている────私が創った魔導機構もどきだ。

 ジグもレナスも、契約によって魔術の発動には私とレド様の魔力が使われるのだけど────二人とも、私やレド様には及ばないものの、それなりの魔力を持ってはいるのだ。これを使わない手はない。

 それで、二人の自前の魔力の方は、魔力循環で身体能力強化に使ったらどうかな────と思いついたというわけだ。

 手合わせをした感じ、かなり身体能力が向上していたと思うけど────

「見えそうで見えない────とても良いと思います」
「ええ、最高でした」

 ジグが真顔で答え、レナスが満足げに頷く。

「ええと…?」

 どういう意味?
 私が首を傾げていると、レド様がこちらにやって来た。

「ジグ、レナス────今度は俺と手合わせをしてくれるか?」

 レド様が、にこやかに言う。何故か、こめかみに血管が浮き上がっているけど…。


「では、リゼラ様、今度は私と手合わせ願えますか?」

 レド様が二人に猛攻を仕掛けるのを眺めていると、いつの間にかラムルが側に立っていた。

 ジグもレナスも対人戦ではかなりの実力を見せるが────ラムルとカデアはその上をいく。

 レド様や私のように、魔力で身体能力を強化しているわけではないからこその───本当に無駄のない最低限の動きと、長年の経験が高じての察知能力は、目を見張るものがあった。

 特に、カデアはあのふくよかな体型が嘘のように───軽やかに動くのは、見事としか言いようがない。

 以前、ジグとレナスが二人のことを『ファルリエム辺境伯家門でも屈指に入る実力者』と称したけど、そう言われるだけのことはある。

 ラムルやカデアほどの実力者との手合わせで得られる経験は────実戦にも勝ると言っていい。

「ええ、それではお願いします────ラムル」


◇◇◇


 今日は、孤児院を【拠点(セーフティベース)】に登録しに行くことにな
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