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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#7
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「…そうですか。では、どちらも片が付いたのですね」
就寝前の自室。私は────ソファに座って、ラムルの報告に耳を傾けていた。
ビバルとダムナについての一切をラムルに任せて数日────ラムルは持てるコネを使って、二人に制裁を下したとのことだった。
「ご苦労様でした。経費はどのくらいかかりましたか?」
「…経費につきましては、リゼラ様がご心配なさる必要はございません。これは、我々にとっても私怨でありますから」
「いいえ。すべてを任せてしまいましたし、経費くらい、私に出させてください。あの二人がレド様を虐げたことは────私にとっても許せないことですから」
「解りました。それでは────経費のみ、リゼラ様に出していただくということで。報酬などは考えていただく必要はございませんので」
「そうですか…。では────どうか、『ご苦労様でした』と伝えておいてください」
今回協力してくれたのは────きっと、ファルリエム辺境伯家に
纏
(
まつ
)
わる人々だろう。レド様のために、協力してくれたのではないかと思う。
「────かしこまりました」
ラムルは、事を任せたあのときのように、優雅なしぐさで一礼する。
「それから、あの二人の賠償金ですが、いかがいたしましょう。リゼラ様の所有する孤児院に回しますか?」
お金に貴賤はないというけど────あの二人がドラテニワの鉱山や娼館で稼いだお金を、大事な孤児院で使うというのは、正直、気が進まない。
「…いいえ、私の孤児院にはいりません。ですが────あのお金は元を
糺
(
ただ
)
せば国民の税金です。国民に還元するのは賛成です。ラムルたちに他に案がないのなら、この皇都にある別の孤児院に寄付するのはどうでしょう?」
「よろしいかと存じます。それでは、そのように手配いたします」
「お願いします」
経費については後で計上するとのことで、ラムルは夜分に訪れたことを詫びて、来たとき同様、隠し通路経由で出て行った。
ラムルがいなくなると、ビバルとダムナのことに意識が向く。
どちらも会ったことはなかったが、あの二人のレド様に対する仕打ちは考えただけで許せないし、今でも底冷えするような怒りがある。
だけど───ビバルは鉱山に送られ、ダムナが娼館に売られたと聞いても、何も感じなかった。ざまぁみろとも思わないし、ダムナが娼館に送られたことに憐憫も感じない。
ただ───仕出かしたことを自覚させて、レド様から掠め取ったものを返上させることができて良かったと思うだけだ。
よく、小説やマンガの中で、登場人物たちが復讐は空しいだけだなんて言っていたけれど、本当にそうかもしれない。
もし───もし、イルノラド公爵家に何かあって────あの人た
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