暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#7
[4/4]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
「最高でした」
レナスは思い出しているのか、恍惚とした表情で答える。
「残しておきたいくらいです」
ジグも眼を閉じて、噛みしめるように言う。
鮮やかに咲き誇る花々に囲まれて、その長い睫をそっと伏せ、見ている者の胸を締め付けさせる────愁いに陰る表情を浮かべたリゼラは、ルガレドの言う通り、この世のものとは思えない美しさだった。
「そうだろう────そうだよな。…俺は正常だよな?」
「ええ。リゼラ様はとても美しいですよ」
「冒険者たちの間では女神扱いされてます」
「…それは、本当か?」
「ええ。何でも、リゼラ様は“孤高の戦女神”と称されているようです」
「そうか…。────近づけるなよ?」
「「勿論です」」
「それにしても、ルガレド様、何でサンルームに行ったんです?」
「いや、リゼが部屋から出て行く気配がしたものだから────」
「……敏感過ぎません?」
「リゼは俺の婚約者だ。気にして当然だろう」
「当然────ですかね?」
レナスは首を傾げる。
まあ、でも、ルガレドはその当初の目的を忘れているようなので、レナスは安堵した。
リゼラが眠れずにサンルームに向かった理由────おそらく、ラムルの報告したことが心因だとは思うが、それをルガレドに追及されては、リゼラは困るだろう。
「まあ、ルガレド様が色ボケしているというのは事実ですよね」
「お前たちだって、どう見ても色ボケしているぞ」
「ですが、オレたちも色ボケしているとなりますと────さっきの証明、成り立たなくなりますよ?」
「そうか────確かにそうだな…。リゼに自覚させるには、一体どうしたらいいんだ…。いや、自覚させない方がいいのか…?」
真剣に悩み始めたルガレドに────平和な夜に、ジグとレナスは笑みを浮かべた。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ