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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#7
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、盲目過ぎない?
レド様の中では、私が物凄い絶世の美女のようになってしまっているような気がする…。
これは、非常にマズくないだろうか。私も色ボケしている自覚があるが、レド様は色ボケし過ぎている。
レド様は皇子なのだ。人前でやらかしてしまう前に、何とか目を覚ましていただかなくては。
私がレド様の傍まで行くと、レド様は何故かたじろいだ。
「レド様、褒めてくださってありがとうございます。私を想ってくださるのは────とても嬉しいです。ですが、そろそろ、現実を見ましょう?レド様には、私が良く見え過ぎる眼鏡のようなものが、かかっているのです」
「は?」
「レド様が私を綺麗だと思ってくださるお気持ちは、とても嬉しいのですが────心苦しいことに、私は、レド様が思うほど美人ではないのです」
このことについては、いつか言わなければと思っていた。
魔力のおかげで髪や肌が艶々で瑞々しいから、多分、そうでない人よりは、綺麗に見えるとは思う。でも───それだけなのだ。
「え、いや────何を言っているんだ?リゼ」
「ですから、レド様は恋で盲目になっているというお話です」
「本当に何を言っているんだ、リゼ」
「レド様、先程のような言葉を私だけに言うのであれば構いません。私は嬉しいですから。ですが、もし、他人の前で言ったら、笑われてしまいます。私はレド様が思い描くような────美女ではないのです」
レド様に解ってもらおうと、私は懸命に言葉を紡ぐ。
「…何か、思い違いをしていないか、リゼ」
「いえ、思い違いをなさっているのは、レド様の方です。私はこれまで、レド様以外の男性に綺麗だと言われたことはありませんでした。私を綺麗などと仰ってくださるのはレド様だけなんです」
この間、ジグに言われたが───あれは私に気を使っての発言なので“ノーカウント”だ。
シェリアにも言われたことがあったが、シェリアは女性だし、私に対する欲目が入り過ぎているので、これも“ノーカウント”。
「これで、ご理解いただけましたか?レド様」
「………よく解った。リゼがやはり変な思い違いをしているということが」
レド様の盲目状態は────思った以上に重症のようだ…。
※※※
「ジグ、レナス、いるのだろう?」
リゼラを部屋に送って、自室に戻ったルガレドは例の二人を呼ぶ。ジグもレナスも呼ばれることを予測していたらしく、すぐに現れた。
「どうせ、お前たちも先程のリゼを見ていたんだろう?」
「見ていないはずがないじゃないですか」
「勿論、見ていましたとも────護衛ですからね」
「とってつけたような言い方だな…。まあ、いい。それより、あのときのリゼをどう思った?」
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