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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#6
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の腕に自信があるらしく────ビバルを見ると鼻を鳴らした。

「お前が───僕の記念すべき“賭けゲーム”の初戦の相手か。賭け金は金貨3枚でいいな?」

 賭け金は金貨3枚────少年の言葉に、ビバルは内心ほくそ笑む。バカなガキだ、心からそう思う。

「それでは────始めましょう」



 ゲームを進めるうち────自信に満ちていた少年の表情が、少しずつ歪んでいく。

(やっぱりだ…。こいつ────弱い)

 ビバルは、嘲笑を深める。

 おそらく周りが慮って手加減していたのを───この少年は自分の実力と勘違いして、図に乗ってしまったのだろう。

 あの執事の様子から見るに、事情が解っている執事が止めるのも聞かずに、押し切ってこんなバカなことを仕出かしたに違いない。

(本当に、バカなガキだ。だが、俺にとっては天の助けってところだな。こいつから、存分にふんだくってやろう…。どうせ、家には金が有り余っているんだろうしな。少しくらい、俺がもらってもいいはずだ)

 ゲームが進み、少年の負けが確定すると、少年は泣きそうな表情で叫んだ。

「くそっ、もう一勝負だ…!」
「解りました。賭け金は、また金貨3枚でよろしいですか?」
「ああ。────始めるぞ!」

 これで、一気に金貨6枚。

 単純でバカな少年に、ビバルは笑ってしまいたい気持ちでいっぱいだったが、少年の機嫌を損ねても困る。

 神妙な顔を装い、ビバルは自分の駒に手を伸ばした────



「くそっ、もう一度だ!」

 少年が、悔しそうに顔を顰めて叫ぶ。

(これで、締めて金貨9枚────)

 ビバルは、自分の首が繋がったことを────あの絶望から這い出せたことが、まだ信じられなかった。

「おいっ、もう一勝負するぞっ!」

 少年の言葉に、ビバルはふわふわと高揚した気分で、考える。

(もう少し巻き上げるか…。これからはルガレド皇子の予算は使えないし、ここで稼いでおいた方がいいよな…)

「坊ちゃま、もうここで止めておきましょう。この方にも迷惑ですし…」
「いえ、私は大丈夫ですよ。いいですよ、もう一勝負やりましょう。賭け金はまた3枚で?」

 多少の恐怖を味わったものの、大して酷い目に遭うことなく────自分で力を尽くすことなく、楽して窮地を脱してしまったビバルは、欲をかいてしまった。

 金貨7枚に届いた時点で止めておけば良かったのに────ビバルは続けることを選んでしまったのだ。



 次の勝負は、少年に軍配が上がった。

(ちっ、こういうこともあるか…)

「やった!僕の勝ちだ…!」
「坊ちゃま、これで満足でしょう?終わりに致しましょう」

(冗談じゃない!せめて、
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