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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#4
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湧き上がる本物の怒りを如実に表していた。
ダムナは、男の怒りを買ってしまったことを、ようやく理解した。
「街で遊んでいた?なあ…、それは────お前の方だろう、ダムナ?」
男が、玄関ポーチから踏み出し、こちらに一歩近づく。
「お前が…、坊ちゃまから掠め取ったお金で────レストランで高い酒を飲みながら、高級料理に舌鼓を打っているとき…、坊ちゃまはどうされていたと思う…?────下級使用人用の食堂で…、冷えた不味い飯を食されていたんだそうだ…」
さらに、一歩、男が近づく。
「お前が…、不釣り合いな装身具をつけ、似合いもしない豪華な服を着て、貴族御用達の店でみっともない態度を晒していたときには、坊ちゃまは何をされていたと思う…?────ご自分で邸を掃除されて…、服を洗濯されていたんだそうだ…」
さらに、また一歩、男はこちらに向かって踏み出す。ダムナは、根が生えてしまったかのように、その場から動けない。
「お前が…、寝心地のいい柔らかなベッドで────あのヒモと睦み合っていたときには、坊ちゃまはどうされていたと思う…?────埃っぽいベッドに、洗濯もしていない黄ばんだシーツをかけたまま…、就寝されていたんだそうだ────」
男が目の前に来ても、ダムナは恐怖で身体が動かず、逃げ出すことはできなかった。悲鳴すら出ず、言葉にならない掠れた声だけが、口から漏れ出る。
「ぁ…、ぁ…」
自分がやらなくても誰かがやると思ってたなどという言い訳は、自分にすら通らない。ダムナは、ルガレドに他の侍女がつかないこともメイドすらいないことも、確かに知っていたのだから。
それなのに────自分が仕事をしないことで、ルガレドがどんな生活を送る破目になるかなんて、考えようともしなかった。
「侍女としてきちんと仕事をして、そのせいで皇妃一派に虐げられ耐えきれなかったというのなら────逃げても、同情できよう。だが…、お前はどうだ?旦那様の前に一度も姿を見せることすらせず────それなのに、給金だけは受け取って、自分だけは豪勢な暮らしをして────やらなければいけないことはやらないくせに…、不服だけはこうして言いに来る。本当に────クズとしか言いようがない」
男に冷たい声でそう吐き捨てられて────ダムナの身体が、ガタガタと恐怖で震える。
その怒りの深さから、目の前の男が────ルガレド皇子を大事に思っていることが嫌でも解る。
ダムナは、ルガレド皇子を大事に思っている者がこの世にいるとは、この瞬間まで思ってもみなかった。
後ろ盾もなく、皇妃に嫌われているという皇子など、誰も相手にするわけがないと思い込んでいたのだ。
だから────だから…、ダムナがどんなことをしても
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