暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#2
[2/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
襲われた。
「…貴方でも、こんな風に────顧客の情報を漏らすことがあるのですね」
「こんな風に───ただで情報をくれてやったのは、これが初めてだよ。だけど、君たちには必要な情報でしょ。リゼは皇子様の警護で傍を離れられないし、君に
お
(
・
)
遣
(
・
)
い
(
・
)
が
(
・
)
で
(
・
)
き
(
・
)
る
(
・
)
と知ったら助かるんじゃない?」
ラムルはノヴァと情報屋と顧客としての付き合いしかないが、ノヴァが他人に心を砕くなど、かなり珍しいことなのではないかという気がした。
「僕がよろしく言っていたと伝えておいて。そうすれば、リゼなら伝わるでしょ」
確かに伝わるだろう────ラムルたちが新たに仕えることになった、あの女主人ならば─────
「報酬はいつものように。────それじゃ、リゼによろしくね」
そう言ったノヴァの口元が弧を描く。
ラムルは、何だか狐に抓まれたような気分になりながら、古書店を後にした。
古書店を出たラムルは、大通りには戻らず、そのまま寂れた商店街をさらに進んでいった。
その一角にひっそりと佇む、そんなに小さくはないが、かなり年季の入った建物へと入る。勿論、人目を気にするのも忘れない。
「ベルネオ、いるか?」
そこは、ベルネオ商会の皇都支店というより────倉庫で、7年ほど前から、この場所に存在している。
入ってすぐの事務所のような体裁の部屋で声をかけると、奥の扉から、男が一人現れた。リゼラが『朴訥で実直そうな男』と表した────ベルネオ本人だ。
「…ラルか。どうした、こんな早朝から。────
彼
(
か
)
の方に何かあったのか?」
「少々、協力してもらいたいことがあってな…」
ラムルがそう言うと、ベルネオは何か悟ったのか眼を据わらせた。
「奥で話を聞こう。…朝食は?」
「まだだ」
「それなら、食べながら話そう」
ノヴァの調査結果では、ビバルもダムナもそこらに溢れている小悪党でしかないようだ。
「これなら────造作もないな」
ラムルは薄く笑う。
「ふむ、二人まとめていけるか。手を変える必要はないな」
「ああ。ベルネオ、手配を任せてもいいか?」
「勿論だ。あんたは、彼の方に専念していてくれ。
些事
(
さじ
)
は俺が引き受ける」
「頼んだ。だが────まあ、坊ちゃまには頼れるお方がついていらっしゃるからな。私が専念するまでもない」
ベルネオの言葉に、ラムルは苦笑で返した。
「“双剣のリゼラ”か…。確かに、会った限りでは、とてもあの年頃の少女とは思えない────聡明な子だとは思ったが…」
「ラーエで会ったとき、私もそう思ったよ。だけど、認識が甘かったかもしれない…」
「というと?」
「彼
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ