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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十三章―愚か者たちの戯言―#2
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襲われた。

「…貴方でも、こんな風に────顧客の情報を漏らすことがあるのですね」
「こんな風に───ただで情報をくれてやったのは、これが初めてだよ。だけど、君たちには必要な情報でしょ。リゼは皇子様の警護で傍を離れられないし、君に()()()()()()()と知ったら助かるんじゃない?」

 ラムルはノヴァと情報屋と顧客としての付き合いしかないが、ノヴァが他人に心を砕くなど、かなり珍しいことなのではないかという気がした。

「僕がよろしく言っていたと伝えておいて。そうすれば、リゼなら伝わるでしょ」

 確かに伝わるだろう────ラムルたちが新たに仕えることになった、あの女主人ならば─────

「報酬はいつものように。────それじゃ、リゼによろしくね」

 そう言ったノヴァの口元が弧を描く。

 ラムルは、何だか狐に抓まれたような気分になりながら、古書店を後にした。



 古書店を出たラムルは、大通りには戻らず、そのまま寂れた商店街をさらに進んでいった。

 その一角にひっそりと佇む、そんなに小さくはないが、かなり年季の入った建物へと入る。勿論、人目を気にするのも忘れない。

「ベルネオ、いるか?」

 そこは、ベルネオ商会の皇都支店というより────倉庫で、7年ほど前から、この場所に存在している。

 入ってすぐの事務所のような体裁の部屋で声をかけると、奥の扉から、男が一人現れた。リゼラが『朴訥で実直そうな男』と表した────ベルネオ本人だ。

「…ラルか。どうした、こんな早朝から。────()の方に何かあったのか?」
「少々、協力してもらいたいことがあってな…」

 ラムルがそう言うと、ベルネオは何か悟ったのか眼を据わらせた。

「奥で話を聞こう。…朝食は?」
「まだだ」
「それなら、食べながら話そう」


 ノヴァの調査結果では、ビバルもダムナもそこらに溢れている小悪党でしかないようだ。

「これなら────造作もないな」

 ラムルは薄く笑う。

「ふむ、二人まとめていけるか。手を変える必要はないな」
「ああ。ベルネオ、手配を任せてもいいか?」
「勿論だ。あんたは、彼の方に専念していてくれ。些事(さじ)は俺が引き受ける」
「頼んだ。だが────まあ、坊ちゃまには頼れるお方がついていらっしゃるからな。私が専念するまでもない」

 ベルネオの言葉に、ラムルは苦笑で返した。

「“双剣のリゼラ”か…。確かに、会った限りでは、とてもあの年頃の少女とは思えない────聡明な子だとは思ったが…」
「ラーエで会ったとき、私もそう思ったよ。だけど、認識が甘かったかもしれない…」
「というと?」

「彼
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