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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#2
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は、レド様。お茶を淹れますから、厨房で二人を待ちましょう」
「そうだな」
いつの間にか【
認識妨害
(
ジャミング
)
】を解いて傍に立っていた、ジグとレナスにも訊く。
「ジグとレナスも立ち会いますよね?」
「はい」
「勿論です」
頷く二人を見て、レド様が何だか苦虫を噛んだみたいな表情で呟いた。
「…お前たちも来るのか」
「酷いですね、ルガレド様」
「オレたちが行くと何か不都合でも?」
「リゼと二人でいる時間が減る」
「…心が狭いですよね、ルガレド様は」
「少しくらいいいでしょう。どうせ、夕飯の後、二人で過ごすんですから」
「それとこれとは別だ。そうでなくとも、最近二人でいられる時間が減っているのに…」
レド様が憮然と言う。
確かに────出会って最初の頃に比べたら、一緒にいられる時間は格段に減っちゃったな…。
「とにかく、厨房へ行きましょうか。お茶を淹れて───【異次元収納庫】に入れてある作り置きのお菓子を出して、皆でお茶にしましょう?」
「そうだな」
厨房に向かって、4人で歩き出す。
私は、そっと────隣を歩くレド様の大きな手を握る。
「!」
レド様は一瞬驚いたような表情をした後、すぐに嬉しそうに微笑み、私の手を優しく握り返してくれた。
そうして────厨房までの短い距離だったが、私はレド様と手を繋いで寄り添っていた。
◇◇◇
「本当に────よく戻って来てくれた、ラムル、カデア」
旅装を解いたラムルとカデアが、簡素な普段着で厨房に現れたときには、レド様は落ち着きを取り戻していた。
立ち上がり、厨房に入って来た二人を出迎える。
ラムルとカデアは、レド様に再会した直後の興奮状態は収まっていたようだったが、レド様の言葉に再び涙ぐんだ。
「坊ちゃま…」
「待て────その『坊ちゃま』というのは止してくれ」
カデアの呟きに、レド様がすぐさま口を挟む。レド様は決まり悪そうに、ちらりと私を見遣った。
「おやまあ、そうですわね。うふふ、ご婚約者様の手前、そんな風に呼ばれたくはありませんよね。私ったら、気が利かない」
レド様の様子に、涙は引っ込んでしまったらしいカデアが楽しそうに笑う。
「それでは───これからは、旦那様とお呼び致します」
カデアに代わって、ラムルが応え────レド様は頷いた。
「それと、もう自己紹介は済んでいるみたいだが───改めて、紹介しておく。俺の親衛騎士で───いずれ俺の妻となる…、リゼラ=アン・ファルリエムだ。俺と同様に仕えて欲しい」
レド様が隣に立つ私の肩を抱き、ラムルとカデアに向かって告げる。
「心得ております。女主人として仰ぎ─
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