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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#2
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す。────そろそろ、ロウェルダ公爵邸へ向かいましょうか」


 ラムルとカデアが宿を引き払う支度をしている間、レナスと二人で話しながら待つ。

「そういえば───ラムルとカデアの宿屋のこととか、ベルネオ商会のこととか、レナスとジグは知っていたんですか?」
「いえ、あの二人がラーエという町で宿屋を営んでいるとしか…。シェラが結婚したとは聞いていましたが────ラムルたちと一緒にいることも知りませんでした」
「そうですか。それなら、ここで得た情報を、後でジグと共有しておいてください」
「了解しました」


◇◇◇


「リゼ」
「レド様」

 ロウェルダ公爵邸へ戻ると───案の定、レド様が落ち着かない様子で待ち構えていた。

 ロルスが気を利かせたのか、今日の授業は早めに打ち切られたようだ。

 レド様は私に声をかけた後、私の傍にいるラムルとカデアに視線を移した。レド様の口から、二人の名が零れ落ちる。

「ラムル、カデア…」

 レド様は、名前を呼んだものの、言葉が続かないようだった。

「ああ、坊ちゃま…」

 感極まったようにそう呟いたのは、ラムルとカデア、どっちだったのか。ラムルもカデアも、涙ぐんでいて、レド様同様、言葉が続かない。

「レド様…、お邸へ帰りましょう。帰って────ゆっくり、ラムルとカデアとお話ししましょう」
「ああ、そうだな…」

 再会に水を差すのは気が引けたけど、ここはロウェルダ公爵邸だ。ラムルとカデアも、お邸の方が落ち着いて話ができるのではないだろうか。

 私の言葉にレド様は頷いた。



 シェリアを始めとした───ロウェルダ公爵家の面々にお礼を告げて、【転移門(ゲート)】でお邸へと跳ぶ。

「これが…、古代魔術帝国の魔道具とやらですか…」

 ラムルは完全に魔導機構の方に気をとられていたが、カデアは8年振りに目にしたエントランスホールに感激していた。

「ラムル、カデア、まずは荷物を部屋に置いてきてはどうですか?」
「あ、そうですね」
「そうさせていただきます」

 私の提案に、二人は我に返ったようだ。

「レド様、どこでお話しされますか?」
「そうだな…。応接間より、厨房の方がいいか?」

 レド様もラムルもカデアも、どこか落ち着きがなく────お互いにまだ直接話すのを躊躇っているような感じで、私が仕切る破目になっている。

「レド様、ラムルとカデアには以前と同じお部屋を使ってもらっていいんですよね?」
「ああ」
「ラムル、カデア、旅装を解いたら、厨房に来てくれますか?」
「「かしこまりました」」

 ラムルとカデアは頷くと、ラムルが二人分のトランクを持ち、寄り添って使用人部屋へ向かう。

「で
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