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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#2
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───何よりSランカーで顔も広い。それに、話していて情に厚いと感じたので…、ルガレド様の事情を知ったら力になってくださるのではないか───と」
「……そうですね。依頼を持ち掛けられたら────おそらく引き受けていたと思います」
親衛騎士になることなく────冒険者としてただその依頼を受けたとしても────ファルリエム辺境伯への恩義もあるし、きっと、私はレド様の手助けをしていたはずだ。
その場合────レド様と私は、どういう関係になっていただろう…。
私は、やっぱり────レド様に惹かれていたような気がする…。
「実は、私───リゼラ様と初めてお話ししたとき、思ったんですよ。一緒に逃亡するうちに、リゼラ様が、ルガレド様を好きになってくれたらいいのになぁって。亡命してどこかに定住することになっても、リゼラ様がルガレド様を支えてくれたらいいのになぁって────」
カデアが、弾んだ声でそんなことを言い出す。
「え?」
「リゼさんみたいな女性が坊ちゃまの傍にいてくれたら────嬉しいなって思ったんです。それが───それが、まさか本当になるなんて───うふふ」
カデアがそう言って、本当に嬉しそうに笑うので、私は何だか恥ずかしくなってしまった。きっと私の顔は赤くなっているのだろう。
うぅ、そんな微笑まし気に見ないでください、二人とも…。
「えぇっと…、それで───次点はどなたなんですか?」
「Aランカーの“剛剣のギニス”ですね」
「ああ…、ギニスさんですか…」
「リゼラ様はお知り合いで?」
レナスが口を挟む。
「ええ。年も近いですし、Aランクに昇格したのが同時期だったので…」
“剛剣のギニス”────赤茶色の短髪に緑色の眼をした、ちょっと不愛想な青年だ。
私より2歳年上の18歳で、中肉中背でそこまで大柄なわけではないのに、背丈より大きい大剣を得物としている。だから───ついた通り名が“剛剣”なのだ。
「ギニスさんは、私からの依頼は受けてはくれないだろうな…」
私は、諦めが混じった溜息を吐く。
「何故ですか?」
私の呟きに、レナスがすぐさま食いついた。
「え?ああ、私───どうも、ギニスさんに嫌われているようなんですよね。話しかけると嫌そうな表情をされますし、会うと毎回突っかかってきますし」
正直、嫌なら近寄ってこなければいいのにな───と思う。お互い、嫌な気分になるだけだし…。
「へえ…」
あれ、レナスの声が何だか低くなったような気がする…。
もしかして、ギニスさんの私への対応に腹を立ててくれているのだろうか。私のために怒ってくれたとしたら、ちょっと嬉しい。
「まあ、ギニスさんのことは後で考えま
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