暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#2
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
───何よりSランカーで顔も広い。それに、話していて情に厚いと感じたので…、ルガレド様の事情を知ったら力になってくださるのではないか───と」

「……そうですね。依頼を持ち掛けられたら────おそらく引き受けていたと思います」

 親衛騎士になることなく────冒険者としてただその依頼を受けたとしても────ファルリエム辺境伯への恩義もあるし、きっと、私はレド様の手助けをしていたはずだ。

 その場合────レド様と私は、どういう関係になっていただろう…。
 私は、やっぱり────レド様に惹かれていたような気がする…。

「実は、私───リゼラ様と初めてお話ししたとき、思ったんですよ。一緒に逃亡するうちに、リゼラ様が、ルガレド様を好きになってくれたらいいのになぁって。亡命してどこかに定住することになっても、リゼラ様がルガレド様を支えてくれたらいいのになぁって────」

 カデアが、弾んだ声でそんなことを言い出す。

「え?」
「リゼさんみたいな女性が坊ちゃまの傍にいてくれたら────嬉しいなって思ったんです。それが───それが、まさか本当になるなんて───うふふ」

 カデアがそう言って、本当に嬉しそうに笑うので、私は何だか恥ずかしくなってしまった。きっと私の顔は赤くなっているのだろう。

 うぅ、そんな微笑まし気に見ないでください、二人とも…。

「えぇっと…、それで───次点はどなたなんですか?」
「Aランカーの“剛剣のギニス”ですね」
「ああ…、ギニスさんですか…」

「リゼラ様はお知り合いで?」

 レナスが口を挟む。

「ええ。年も近いですし、Aランクに昇格したのが同時期だったので…」

 “剛剣のギニス”────赤茶色の短髪に緑色の眼をした、ちょっと不愛想な青年だ。

 私より2歳年上の18歳で、中肉中背でそこまで大柄なわけではないのに、背丈より大きい大剣を得物としている。だから───ついた通り名が“剛剣”なのだ。

「ギニスさんは、私からの依頼は受けてはくれないだろうな…」

 私は、諦めが混じった溜息を吐く。

「何故ですか?」

 私の呟きに、レナスがすぐさま食いついた。

「え?ああ、私───どうも、ギニスさんに嫌われているようなんですよね。話しかけると嫌そうな表情をされますし、会うと毎回突っかかってきますし」

 正直、嫌なら近寄ってこなければいいのにな───と思う。お互い、嫌な気分になるだけだし…。

「へえ…」

 あれ、レナスの声が何だか低くなったような気がする…。

 もしかして、ギニスさんの私への対応に腹を立ててくれているのだろうか。私のために怒ってくれたとしたら、ちょっと嬉しい。

「まあ、ギニスさんのことは後で考えま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ