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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#1
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その日は、ロウェルダ公爵邸で講義を受けていた。
最近は───週に何度か、レド様はロルスに、私はロイドに講義を受け、レド様の授業内容の切りがいいところで休んで、冒険者として活動するというサイクルになっている。
普段なら、ロイドの授業を終えた後、私はジグかレナスを伴って、何かしらの用事で外に出るのだが、今日は、レナスが所用を済ませに離れているため、心配性なレド様にロウェルダ公爵邸に留め置かれていた。
応接間で、シェリアとお茶を飲みながら、レド様の授業の終わりを待つ。
「私は一人でも大丈夫なのにな…」
ジグとレナスのことははっきりと話してはいないが、こうして私の外出が許されないことが時々あるので、鋭いシェリアは事情をそれとなく察している。
「それは仕方がないわよ。殿下にとっては、リゼはSランカー冒険者というより、大事な婚約者ですもの」
「心配してくれるのは、とても嬉しいんだけど────」
≪リゼラ様、今、ちょっとよろしいでしょうか?≫
≪レナス?≫
不意に、レナスから【
念話
(
テレパス
)
】が入った。
突然、黙った私に、シェリアは何かあったと察したようで、口を噤む。
≪実は…、想定外のことが起こりまして────≫
≪何があったんですか?≫
≪ラムルとカデアが────≫
≪ラムルさんとカデアさんが?≫
≪すでに、皇都に到着しておりまして───リゼラ様に、迎えに来ていただけないかと…≫
え───早過ぎない?レド様が、二人に連絡とるように言ったの、いつだったっけ…?
≪解りました。レド様に許可をもらって、そちらに向かいます。今、何処に?≫
≪皇都の宿屋『月光亭』です≫
≪解りました。『月光亭』ですね≫
そう応えて、一旦、レナスとの通信を打ち切る。
≪レド様、授業中に申し訳ありません。今、レナスから知らせがありまして、ラムルさんとカデアさんが皇都に到着したとのことなので、私が迎えに行ってきます≫
≪ラムルとカデアが?…早過ぎないか?≫
やっぱり、そう思いますよね…。
≪解った。ジグを連れて行ってくれ≫
≪いえ、レナスとすぐに合流しますし、ジグはレド様についていてください≫
ロウェルダ公爵邸でそうそう何か起きるとは思わないけど、やはり誰かしらレド様の傍にいないと、安心できない。
≪…解った。その代わり、どこにも寄らずに、すぐにレナスと合流してくれ≫
≪解りました。それでは、行ってきます≫
物凄く心配そうに言うレド様に苦笑しながら、私はそう応えた。
◇◇◇
シェリアに、以前仕えていたレド様の執事と侍女を呼び戻そうとしていることを打ち明け────その二人をロウェルダ公爵邸に入れる許可を得てから、【|転
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