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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十二章―忠臣の帰還―#1
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際、逃亡の手助けを依頼する冒険者を吟味していたのですか?」

 ラルさんとデアさんが目を見開く。

「いや…、本当に────さすがです、リゼさん。貴女のお考え通りです。ラーエでお話ししたときも鋭い方だとは思っていましたが…、これは────レナスが称賛するわけですね」

 え、称賛?

「…レナス?一体、何を言ったんですか?」
「ありのままにお話ししただけですよ」

 レナスはさらりとそう答えたけど───絶対、話を盛っている気がする…。


「リゼラ様」

 ラルさんに呼ばれて、そちらを向くと、ラルさんとデアさんは───先程までの朗らかな表情を消し、跪いた。

「リゼラ様───我らが主ルガレド様を苦境からお救いくださったこと、心より感謝申し上げます」
「貴女様のご尽力は、レナスよりすべて聞いております。そして───ルガレド様のためにお心を砕いてくださっていることも。本当に───感謝の念に堪えません」

 二人の声は震えていて、レド様を本当に大事に思っているのが判る。8年お傍を離れても、少しも損なわれていないのだろう。

「ラルさん、デアさん…」

 レド様が大事に思っている人たちが、同じようにレド様を大事に思ってくれていることに、私も胸が熱くなる。

 早くレド様に会わせて差し上げたい。

「私どものことは───どうか、ラムル、カデアとお呼びください」
「これより、貴女様は───ルガレド様同様、私たちの仕えるべき主となるのですから」
「…解りました。ラムル、カデアと呼ばせてもらいます。────二人が戻ってきてくれたこと、私も本当に嬉しく思います。これから、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します」
「誠心誠意、お仕えさせていただきます」

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