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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十一章―ルガレドの実力―#4
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ですし…」
「まあ、普通に考えたら不思議だろうしな。仕方がない。…それより、あの二人が戻ってこないうちに、持ち帰るものを【異次元収納庫】へ送ってしまおう」
「そうですね」

 二人して、【(リモ)(ート・)(コント)(ロール)】を発動させる。

「それにしても、肉だけでもすごい量ですよね。どうやって持ち帰ると思われているのでしょうね?」
「収納袋を幾つも持ってると思われてるのかもな」
「ジェスレム皇子は3つも持っているそうですからね。レド様もそれくらい持っていてもおかしくないと思われているのかもしれませんね」
「ジェスレムは3つも持っているのか?……何のために?」

 やっぱり、そこ疑問に思っちゃいますよね。


◇◇◇


「待たせたな」

 手持無沙汰だったので、端に置いてあるスツールを拝借して、レド様と他愛ないことを話しながら待っていると、ようやくガレスさんとバドさんが戻って来た。

「いえ。────すみません、イス、お借りしました」
「別に構わん」

 バドさんが首を振る。

「まずは、ライセンスを返しておく」

 私は魔水晶(マナ・クォーツ)のコインを、レド様は(シルバー)のコインを、ガレスさんから受け取る。

「魔物の集落を発見したこと、被害を出さずに殲滅したこと、集落を造っていたのがオーガだったこと、50頭以上の集落だったこと、場所が皇都近郊の森だったこと、オーガロードまでいたことを踏まえ、今回は“星”を6つ付けさせてもらった」

「“星”?」
「コインの裏を見てみてください」

 疑問の声を上げたレド様に、私はコインの裏を見るよう促す。コインの裏の縁取りに沿って、星印が6つ、浮き彫りで刻まれている。

「ほら、ここに刻まれた星印────これのことです」

 星印は、通常の依頼を受けただけでは刻まれない。ギルドが重要だと判断した依頼を遂行した場合にだけ、刻まれる。

 そして、星印が10個溜まると、昇格試験に臨める。勿論、ランクが上がれば上がるほど、重要度も厳しくなっていく。

「ということは────あと4つで昇格試験を受けられるのか?」
「そうなりますね」

 私がレド様に説明していると、ガレスさんが乾いた笑いを漏らした。

「…実力はあると思っていたが、初っ端から、星6つとはな。こりゃ、すぐにSランクまで行っちゃいそうだな」

 レド様は、すぐさま首を横に振った。

「いや───それは買い被りだ。今回のことはリゼがいたからこそできたことだし、魔物は倒せても、やはり知識が圧倒的に足りない。昇格試験は任意だと聞いている。冒険者として自立できると確信するまでは、試験を受けるつもりはない」

 さすが────レド様だ。

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