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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十一章―ルガレドの実力―#3
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盾がないし、悪評も出回っていて────社交界を取り仕切れる素養がないもの」
「何だ────そんなこと。馬鹿ね、リゼらしくもない。殿下が立太子できるとしたら、皇妃一派が一掃された後でしょう?それなら────我が公爵家が表立って、殿下のこともリゼのことも後援するに決まっているじゃないの。リゼを我が公爵家の養女にすることだってできるし、どうとでもなるわよ。社交界の悪評だって、参加していれば────リゼなら、すぐに払拭できるわ」
シェリアに軽い調子で言われて────私は目を見開く。
「けれど────殿下は、絶対に皇王にはならないと思うわ。だって、実力はともかく、今の殿下は皇王には向いていないもの」
シェリアは苦笑を浮かべ、続ける。
「皇王は、正妃以外にも側妃を娶らなければならないでしょう?断言してもいい────あの方は、リゼ以外の妃を娶るくらいなら、皇王にはならないと仰られるはずよ」
「…っ」
確かに、レド様なら仰られそうだ…。そう思うのは────決して、私の自惚れではないはず。
「そもそも、リゼがそんな理由で求婚を断ろうものなら、きっと────皇子としての身分すら棄ててしまうのではないかしら」
それは────ありえるかもしれない…。
「ね?だから、リゼはそんなこと気に病む必要はないのよ。貴女が、殿下と生涯を共にしたいと思うなら、そうしてもいいの」
「シェリア…」
シェリアに強く断言され、ずっと燻っていた不安が────霧が晴れるように消えていく。
本当に…、シェリアには助けられてばかりだ。
「ありがとう…、シェリア」
◇◇◇
「あら、今回はワンピースタイプなのね」
今回の服は、手直しではなく、ラナ姉さんが作製してくれたもののようだ。
「これ、もしかして────“失敗作”?」
漆黒になりきれていない、濃いグレイの生地に見覚えがあった。確か、まだどれくらいの血の量が必要なのか検証していたころの魔玄の失敗作だ。
「うん。色は薄いし、効能も成功作に比べたら劣るけど、綺麗に染まっているから勿体ないって思ってたのよね。いい機会だから、使ってみたの」
立ち襟で細身のシンプルな身頃に、シンプルな七分袖。
スカート部分はシルエットとしてはタイトな感じのロングスカートだけど、巻きスカートのようになっていた。合わせ目の部分にギャザーが施されていて、綺麗なドレープを描いている。
さすが、ラナ姉さんだな。
襟には、太めの黒いリボンタイ。実は────このリボンタイは、私のアイデアだったりする。といっても、例によって前世の真似だけど。
これなら、ブーツよりも────濃い目のタイツを履いて、パンプスの方がいいかな。
「とに
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