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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十一章―ルガレドの実力―#2
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ないようですね」

 レド様と私の実力を知っているとはいえ、ジグとレナスは心配だったようで、安堵しているのが見て取れた。

「それでは、私はギルドに戻って報告と援助要請をしてきます。ジグ、レナス、レド様を頼みます」

「援助要請?」
「はい。今の私もレド様も、この数のオーガを持ち帰ることは可能ですが、普通は持ち帰れません。だから、持ち帰るための助っ人を連れて来なければならないんです。それに、このオーガの集落を、他の二足歩行の魔物や盗賊などに悪用されないために壊さなくてはなりませんから、人手が必要なのです」

「なるほど。解体はしなくていいのか?」
「数頭ならやってしまうんですが。この数ですと、短時間で解体するのは不自然ですので」
「ああ、そうか。そういえば、先程、解体はギルドに任せることになると言っていたな。そういう理由か」
「はい。あ───でも、血だけは集めておいた方がいいですね」

 今のところ、魔物や魔獣の血は、私が魔玄で利用するくらいしか需要がない。なので、血抜きはしても、血を集めることはしないのだ、私以外は。

 私は片膝をついて、右手を地面に突く。

 地中から、オーガの血に宿る魔力を探る。オーガ51頭と、オーガロード1頭───すべての魔力を捉えると、その体内に残ったままの血を凝縮するイメージをする。

 オーガの死体から血が躍り出て、浮き出てきた土に染み込んでいた血と合流し、凝縮されていく。

 実は、レド様に解体を教えるために、解体せずに血だけを取り出す練習をしていたのだ。

 すべてのオーガとオーガロードの血を凝縮できたので、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で、共通のアイテムボックスへと送る。

「リゼは、本当に能力や魔術を使い熟しているよな」

 レド様がまたもや溜息を()いて、呟いた。



 私が一人でギルドに戻ることに一悶着あったものの、ジグとレナスをレド様の元に残すことを何とか押し切り、私は【転移(テレポーテーション)】で街に戻ると、ギルドで助っ人を募って、荷馬車に乗せて連れてきた。

「おいおい、マジかよ…。これを────リゼとアレドの二人で殲滅したってか…?」

 話を聞いて一緒にやって来たガレスさんが────現場を確認して、呆然と立ち尽くす。

 ちょうどギルドに居合わせ、助っ人を引き受けてくれた幾つかの冒険者パーティーの面々も同じように立ち尽くしている。

 ちなみに、ジグとレナスは、例によって【認識妨害(ジャミング)】で姿をくらませている。

「初日からこれかよ…。マジで最強夫婦じゃねぇか……」

「え、リゼさん、結婚したの?」

 ガレスさんの戯言を真に受けて、Bランクパーティー『黄金の鳥』の斥候を務める
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