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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十一章―ルガレドの実力―#1
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わず、剣だけで渡り合えるなんて────レド様は本当に強過ぎですよね…。親衛騎士である私の立つ瀬がないです」

 次々にオーガを屠るレド様を一緒に眺めているジグとレナスに、同意を求めて呟く。

「…リゼラ様も似たようなものだと思いますが」
「そうですよ。リゼラ様だって、オークの集落をほぼ剣だけで全滅させたではないですか」

 レナスが、少し呆れたように言う。

「あれはオークですよ。オーガより動きだって鈍いですし、あのときは奇襲できましたしね」
「いや…、オークであろうと普通はできないんですよ」

「護衛として立つ瀬がないのは、我々です」

 ジグの言葉に、私は眼を瞬かせた。

「ジグとレナスの本領は、人間相手でしょう?それに────貴方たちの技量は、レド様を欺けるほどのものじゃないですか。そんな風に考える必要はないと思います」
「いえ。ルガレド様が置かれている状況を考えれば、魔物や魔獣からもお護りできるようでなければ、護衛は務まらないと思うのです」

 ジグの言うことも、一理あるかもしれない…。

「…ジグとレナスは、冒険者のライセンスを持っていると言っていましたが、ランクは?」
「自分はCランクです」
「オレはBランクです」

 二人は、レド様が遠征に行くときは、冒険者として参加して、レド様を陰から護衛していたらしい。

 国の先導で行う魔獣討伐に参加できるくらいだ。ジグもレナスも、冒険者としてもそれなりの実力は持っているはずだ。

「それでは────人間だけでなく、単独でも魔物や魔獣と渡り合えるよう、鍛練しますか?私でよければ、指導しますよ」
「よろしいのですか?」
「ぜひお願いしたいです」

 ジグとレナスと話しているうちに、レド様は5頭すべてのオーガを倒し終えたようだ。

「レド様、申し訳ありません。解体までレド様にやっていただこうと思いましたが、時間がないので、今日のところは私がやります」

「時間がない?」
「ええ。おそらく、この近くにオーガの集落が出来上がっていると予想されますので、探しにいかないと」

 レド様は、魔獣討伐の経験の方が多い。魔物を討伐したことは数えるほどしかないとのことで、魔物の種類や習性などあまりご存じない。

 私は倒れているオーガに【解体】を発動させながら、レド様に説明する。

「これが1頭なら、“はぐれ”か、まだ集落が出来上がる前の少数の集団の可能性はありますが、5頭ものオーガが徒党を組んでいたとなると────もう集落が出来上がっている可能性が高いです。それに、このオーガたちは斥候ではなく、食糧を調達するための部隊だと思われますので、集落もそれなりに大きいのではないかと考えられます」
「なるほど」

「こういった場合、出来れば
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