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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第十章―忠誠―#5
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かべたのか、レナスが目元を赤く染めた。

「ああ…、あれは確かに可愛かった。そうなんだよな…。剣を振るうときや何かを考えているときは綺麗としか言いようがないのに────はしゃいだり嬉しそうに微笑むときのリゼは…、本当に────可愛い」

 しみじみと────噛み締めるように、ルガレドはレナスの言葉に頷く。


「ジグは、どうなんだ?」
「一目惚れです」

 ジグはきっぱりと答える。

「契約の儀では、自分がルガレド様の護衛として紛れ込んでいたんですが…、女性を美しいと思ったのは────あのときが初めてでした」

「何か…、意外だな」
「ジグは言動だけ見ると理性的に見えますが、結構、直感的ですよ」

「ですが、ルガレド様も一目惚れだったのでは?完全に見惚れていましたよね」
「ああ、その通りだ。俺も────誰かを美しいと思ったのは、あのときが初めてかもしれない…。だが…、確かに始まりはそうだったが────今はそれだけじゃない」
「ええ、解っています。自分もそうですから。あんなに才覚があるのに───無防備で、すごく真面目で────使用人でしかない我々のことにも一生懸命で────あんな人、他に見たことない。
それに、レナスではないが────あの笑顔は…、本当に反則です」

 存在を明かした夜、事情を打ち明けるために訪ねたとき、リゼラが見せた花開くようなあの笑顔────ジグにとっては、あれがとどめだった。


「……どちらも────本当にリゼに惚れているんだな」

 ジグとレナスの答えと表情を窺っていたルガレドが、ぽつりと呟く。

「信じていなかったんですか?」
「いや…、信じていなかったというか───半信半疑だった。もしかして、俺が疑心暗鬼になっているのを考慮して、否定せずにああいう話の流れに持っていったのではないか、と」

「ああ、それ───ちょっとオレも思いました。一人だけ違うと言ってもルガレド様が信じそうにないから、ジグはオレに付き合って言っているだけなのではないかと」
「自分はレナスの方がそうなのではないかと思っていましたが」

「「「…………」」」

 つまりは、ここにいる三人ともが────本気でリゼラに想いを寄せているということだ。

 ルガレドは溜息を()くと、ジグとレナスに向かって口を開いた。

「まあ、いい。俺はお前たちを信じるとすでに宣言した。それに───お前たちが本気でリゼラを想っているのというのなら、先程の言葉、違えることはないと信じられる」

 ルガレドはそこで言葉を切ると、一層真剣な表情になり、ジグとレナスを見据える。

「…お前たちには────任せたいことがある」

 ジグとレナスは、ルガレドの言わんとしていることを理解しているようで、重
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