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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第十章―忠誠―#5
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葉を受け、ルガレドは二人を睨みつけた。

「…どういうつもりだ?」

 ジグもレナスも、ルガレドの怒りに怯むことなく、薄く笑う。

「オレたちは────本当に運がいい」
「恋をした相手が主の伴侶となる方だから────心置きなくお護りすることが出来る」

 ルガレドは、再度、目を見開いた。

「過去────敵に恋をして、悲惨な末路を辿った者もいたそうです」
「城下に住む町娘に恋をし、病気に倒れたその娘の死に際に駆け付けられず、そのことを気に病み、残りの人生を苦しんだという者もいました」

「でも、オレたちは違う。敵対することもなく───リゼラ様が死地に向かうならば共に行ける」

「我々の“真の主”はルガレド様です。この忠誠は、生涯、変わることはありません。万が一、ルガレド様とリゼラ様のどちらかを助けなければならないとなったら、迷うことなくルガレド様をお助けするでしょう」

 ルガレドを優先すること────これは、現雇い主であるリゼラからの命令でもある。

「ですが───もしリゼラ様が危機に晒されたとしても、リゼラ様を生かすことがルガレド様をお護りすることに繋がる現状───見殺すことなく、この命をかけてリゼラ様をお護りすることが許されるのです。本当に…、幸運だと思わずにいられない」

 本来ならば───“真の主”以外の者に命を捧げることなど、許されないのだから─────

「ですから、ルガレド様がご心配なさることなど何もありません」
「リゼラ様が我々に笑いかけ、それに我々が見惚れたとしても、どうかお目溢しいただきたい」
「その代わり、オレたちは────リゼラ様を…、この命をかけてお護り致します」

「………」

 リゼラと話す前のルガレドだったら────きっと許さなかっただろう。だけど、今はリゼラがくれた言葉が胸にある。

 この二人は、それを見越して持ち掛けたのだろう。おそらくは────ルガレドとリゼラのために。

「いいだろう。お前たちを…、信じる。だから────その言葉、決して違えるな」

 ジグとレナスは片膝をつき、(こうべ)を垂れる。

「「御意」」


◇◇◇


「ところで…、お前たちは、リゼの何処に惹かれたんだ?」

 ルガレドの問いに、先にレナスが答える。

「オレは────ギャップですかね」
「ギャップ?」

「佇まいとか───真剣な表情は、あんなに凛として綺麗なのに────無邪気に楽しむ顔とか───嬉しそうな笑顔とか、あんなに可愛いなんて反則じゃないですか?
今朝だって、パントリーの話をしたときのあの顔なんて可愛すぎて────本気でどうしようかと思いましたよ。顔に出さないように、もう必死でした」

 あのときのリゼラの表情を思い浮
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