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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十章―忠誠―#4
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ど、考えてみれば、皇都は内陸のため新鮮な魚は珍しく、肉料理ばかりお出ししていたので今更だった。

 それに、レド様もジグもレナスも、やはりがっつり食べたいようだし、今日も狩りに出かけてお腹が空いているので、私としても精のつく料理がいい。

 お味噌汁の具は何にしようかな…。お味噌汁じゃなくて、澄まし汁でもいいかも。



「今日も美味しかった。ありがとう、リゼ」
「いえ、気に入ってくださったなら、嬉しいです。レド様もお手伝い、ありがとうございました」

 仲直りはしたものの────二人きりになると、レド様も私も、お互いに対する態度に何だかぎこちなさが残ってしまっていて、何処かよそよそしい。

 ジグとレナスはこの場にはいない。

 二人には出来上がった夕食を取りにきてもらい、隠し部屋で食事を摂ってもらっている。

 これからずっと、ジグとレナスに隠し部屋で食事を摂ってもらうなら、テーブルを用意しないといけないな────なんて、現状から意識を逸らすように考える。

 隠し通路を案内してもらったときに知ったのだが、ジグもレナスも、家具だけではなく、ベッドすら持っていないのだ。

 下手にそんなものを置いておくと、レド様に隠し通路と隠し部屋の存在を気づかれる恐れがあったので、必需品は分散してお邸のあちこちに隠し、眠るときは精霊樹のマントに包まるだけで、硬い床で寝ていたのだという。

 さすがに、それでは身体が休めないだろうと思い、レド様にももう隠す必要がないのだから、ベッドや家具を置くことを勧めたのだけど、二人は首を縦に振らない。

 曰く、家具を置いてしまうとそれに遮られて気配を感じ取るのに支障を来たすし、さらに何かあったとき降下するのに邪魔になるとのこと。

 仕方がないので、私は二人に前世の記憶から創り出した“布団”一式をプレゼントした。“布団”ならベッドと違い、すぐに移動できるし、しまっておけるから大丈夫なはずだ。

 それとマジックバッグも一つずつ渡してある。マジックバッグに入れておければ、家具がなくても困らないだろう。

 テーブルもきっと断られるだろうけど───折り畳み式のミニテーブルなら受け取ってくれるのではないかと思う。

 “座布団”とかも、あってもいいかもしれない。



「その…、リゼ」
「…っはい」

 レド様に呼ばれ、我に返る。気づけば、もう後片付けまで終えていた。

「……サンルームでも歩かないか?」
「っ!」

 レド様の提案に、私は昨夜のこと────レド様の怒りを湛えた声音や表情────それから壁に押し付けられ───何度もキスされた感触を思い出し、あからさまに動揺してしまった。

 私の動揺に気づいたレド様は、それを拒絶と受け取ったようだ
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