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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十章―忠誠―#4
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け拾ってきて欲しいのです」
「それは───食事と引き換えでなくとも、引き受けますが」
「いいえ。二人は護衛なんですから、それ以外の仕事をするなら報酬も別にするのは当然です」

 私が引かないことを、ジグもレナスも察したのだろう。二人は、レド様の方を助けを求めるように伺い見る。

「…こういうときのリゼが頑固なのは知っているだろう?」

 レド様がそう言って苦笑すると、ジグとレナスも諦めたのか───苦笑を浮かべた。



 レド様と仲直りして、ジグとレナスの食事の問題を話し合って────結局、下級兵士用調練場でいつも行っている朝の鍛練には間に合わなかった。

 案の定、朝食も作っている暇がなかったので、昨晩のうちに作っておいたカツサンドとミネストローネをアイテムボックスからお出ししたら、レド様に驚かれてしまった。

「これ、ジグとレナスの昼食です。朝食と同じもので申し訳ないですが。…それと、昨日は昼食、食べられなかったですよね?思い至らなくて、本当にごめんなさい…」

 ロウェルダ公爵邸に向かう前に、ジグとレナスに、魔力でコーティングした布巾で包んだカツサンドとミネストローネを入れた蓋つきのスープマグが入った小さめのトートバッグを、それぞれに渡す。

 蓋つきのスープマグは支援システムの支給品、トートバッグは前世の記憶から創り出したものだ。

 二人にはマジックバッグを渡してあるので、それに入れれば荷物にはならないはずだ。

「いえ、ありがとうございます。“カツサンド”も“ミネストローネ”も美味しかったので嬉しいです」
「オレもです。それにこの“サンドウィッチ”、そのまま齧りついて食べられるので助かります」

 ジグもレナスも、そう言って───本当に嬉しそうに受け取ってくれたので良かった。


◇◇◇


 夕方────昨日よりも少し遅い時間にロウェルダ公爵邸から帰ると、レド様は昨日に増して酷くお疲れのようだった。

「レド様…、大丈夫ですか?」
「あ、いや。ロルスの授業はためにはなるが…、何と言うか────ちょっと厳しくてな」

 そのときのことを思い出しているのか、レド様は遠い目になる。

 ちなみに私の方は、孤児院についての届け出と助成金の申請書の書式を教えてもらった。教えてもらいながら書き上げてきたので、明日、おじ様に提出に行く予定だ。もうアポもとってある。

「少し休まれてはいかがですか?」
「いや、本当に大丈夫だ。それより、今日も前世で食していた料理にするのか?」
「はい」

 今日はコカトリスの肉で親子丼ならぬ“他人丼”にしようと思っている。

 昨日はトンカツだったので、連日肉料理はどうかなと───前世で献立を考えていたときの習性が甦り一瞬思ったけれ
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