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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十章―忠誠―#2
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てくれるそうだ」
レド様が天井に向かって呼びかけると、ジグが現れる。
「よろしいのですか?」
喜色を隠せない声音で、ジグが訊く。
「…リゼの善意だ。────レナスは?」
「食堂の方へ夕飯を摂りに行っております」
「そうなんですか。先に声をかけておくべきでしたね。では、これはしまっておいて、レナスには明日の夕飯にでも出しましょう」
私はレナスの分をアイテムボックスにしまう。アイテムボックスに入れておけば時間が止まるので、出来立てのまま保存しておける。
「それでは、いただきましょうか」
「リゼが食べるのに使っているそれは何だ?」
「ああ、これは“お箸”といって、前世の私の故郷で使われていたものです。こうやって掴んで食べるんです」
今世では初めてなので使えるか不安だったが────持った瞬間から、使い熟せている。
ちなみに、皆のご飯はお皿に、お味噌汁はスープボウルに盛っているが、私の分は記憶から創り出した陶器のお茶碗と木のお椀だ。
「この…、“トンカツ”でしたか、本当に美味しいですね」
ジグはそう言いながら、すごい勢いで食べている。
「この“ご飯”と“お味噌汁”というのも、本当に美味しいです」
「ふふ、それなら良かったです」
言葉通り本当に美味しそうに食べているジグに口元を緩めて、私は初めて味わう懐かしい味を堪能する。
トンカツにかけた“ソース”も再現したものだから、余計に懐かしい。
甘めのソースで、これをかけるときは下拵えの段階で塩を多めにして、トンカツの塩を利かせるようにしていた。
塩を控えめにして、醤油をかけて食べるのも好きだったな、と思い出す。
「レド様?もしかして、お口に合いませんでしたか…?」
隣に座るレド様が手を止めて憮然としているのに気づいて、声をかける。
「……そんなことはない。すごく美味しい、が…」
レド様の歯切れが悪くて、心配になったそのとき────怒りを露にしたレナスが現れた。
「ジグ…、てめぇ…」
え、何?何で───そんなに怒ってるの?
「オレがあのクソマズい食堂の飯を食っていたってのに、てめぇ、自分だけそんな美味そうな飯、食いやがって…!お前も腹空かしてるだろうと思って急いで戻ったってのに…!」
「仕方ないだろ。お前が食べに行った後でお誘いいただいたんだから」
剣呑なレナスに、ジグは涼しい表情でしれっと返す。まあ、悪いのは声をかけるのが遅かった私だから、ジグではないものね…。
それにしても、普段の二人ってこんな感じなのか。畏まった姿しか見たことがないから、何か新鮮────なんて、考えている場合じゃなかった。
「ごめんなさい、レナス。私が声
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