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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十章―忠誠―#2
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なんですよね…」
「リゼの【技能】の効果か?」
レド様には、【解体】について話してある。
「おそらくは…。それについては後で検証するつもりです。今日はもうあまり時間がないので、とりあえず、先に染めてしまいます」
私はグレイウルフの血を凝縮した赤黒い色のキューブを取り寄せる。グレイウルフは29頭いたので、キューブも29個ある。
「これが…、リゼが言っていた魔物の血を凝縮したものか。不思議な肌触りだな」
しみじみ呟くレド様に、私も頷く。
「石鹸などよりは固いけど、石よりは柔らかい感じですよね」
「本当にこれで染めることが出来るのか?」
「それについては、心配いらないと思います」
【
現況確認
(
ステータス
)
】の【技能】欄に記載されている────【媒染】。これ、多分、魔玄作製のことだと思うんだよね。
それなら、【解体】や【採取】と同じように出来るかもしれない。
私はグレイウルフの鞣革を一枚床に敷き────その上にキューブを一つ置いた。
「【媒染】」
すると、予想通りに私の足元と、グレイウルフの鞣革の下に魔術式が展開し、光が迸る。
光が収まると、赤黒いキューブは消え失せ、グレイウルフの鞣革は漆黒へと変わっていた────
「すごいな。確かに魔玄になっている…」
レド様は、遠征の時に魔玄の装備を支給されたことがあるそうだ。
「本来なら、染めた後、乾燥させたり、臭みを抜いたりしなければいけないんですが────やる必要はなさそうですね」
まあ、助かるけれど。
「それでは、残りもやってしまいますね」
今回、サヴァルさんに渡すのは、グレイウルフで作る分だけにするつもりだ。
さて、次は────私たちの服だ。
「私のものはすべて染めるつもりですが、レド様のものはどうしますか?染めてもよろしいですか?」
「俺のもやってくれるのか?」
「勿論です」
私は、ラナ姉さんから預かってきた、私のジャケットとベスト、それからレド様の───街に行く際に着てもらう普段着兼冒険者としての装備にもしてもらうつもりのコートとベスト、スラックスを取り寄せる。
血は鹿型の魔獣のものを使うことにした。個体の個性にもよるが、やはり魔物よりも魔獣の血の方が、染めた際の性能が良い。
服を並べ、真ん中の服の上に、魔獣の血が凝縮されたキューブを置く。私は、並べられた服すべてを覆うイメージで【媒染】を発動させた。
「あれ?」
黒く変わった服の上に、5cm角くらいの赤黒いキューブが載っている。この服の量には、あの魔獣の血の全部は必要なかった───ということなのだろう。
「…どうだ?」
使用人部屋で、レド様が早速試
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