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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第九章―才能と価値―#3
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狩ってきますね」
「……リゼラ様お一人で行くのですか?」
「え?あれくらいなら、一人で大丈夫ですよ」
「……お気をつけて」
何だか遠い目をしているレナスの言葉に頷いて、小太刀を太刀に替えて腰に提げた。
そして、自分の魔力を周囲の魔素に、気配を周囲の木々に紛れ込ませて、私は魔獣へと少しずつ近づいて行った。
魔獣はすでに
一頻
(
ひとしき
)
り暴れた後らしく、魔獣の周囲は、倒され崩れ落ちた木々が散乱しているものの、空き地となっていた。
倒れた木が所々焦げているところから、魔獣が使う魔法は火か雷か…。焦げている箇所が部分的なので、雷の方が可能性が高いかな。
下手に魔法を使われて、森が火災になっても困るから、木々から抜け出て魔獣の造り出した空き地で戦う方がいいだろう。そう考えて、私は地面を蹴って、魔獣の前に躍り出る。
魔獣は、私に気づくと、角に魔力を集め始めた。角先で火花のようなものが幾つも弾けて、すぐに稲妻に変わり、幾重にも角に纏わりつく。
やはり、雷か。
「リゼラ様…っ」
私に雷が放たれた瞬間、レナスが私の名を叫んだ。
私は、特殊能力【
盾
(
シールド
)
】を発動させて、雷を迎え撃つことにした。正面に、魔力で創られた透き通った盾が現れる。
それは淡く光を放っており、私の───ファルリエムの貴族章である雪の結晶を模っていた。
勿論、その魔力の盾は魔獣の強力な雷魔法を防ぎ切った。魔法を通さないというより、吸収して分解してしまうようだ。
魔獣の魔法が途切れたのを見計らって、私は【
盾
(
シールド
)
】を解除し、走り出す。魔獣は次の雷撃の準備に取り掛かっている。
私は魔獣の側面に向かい、倒れた木々を伝って、積み上がった倒木の天辺まで登ると、【
重力
(
グラビティ・
)
操作
(
オペレーション
)
】を発動させて、足元の重力を軽くしてから、跳び上がった。
魔獣の背に降り立ち、首に向かって
直走
(
ひたはし
)
る。
魔獣がそれに気づいたが、首を廻らす前に私は首元に辿り着き、素早く太刀を抜き放って、一閃で2本の角を斬り落とす。雷を纏わりつかせた角は、火花を散らしながら落ちていった。
私は間髪を入れずに、再び【
重力
(
グラビティ・
)
操作
(
オペレーション
)
】を発動させて跳び上がり、空中で手に持つ太刀を抜身の大太刀に替える。
そして魔獣の首に向かって落下しながら【
身体強化
(
フィジカル・ブースト
)
】を発動させ、その大太刀を振り下ろした。
魔獣は魔物であったときと弱点などが変わってしまっていることもあるので、魔物でも魔獣でも首を狙うのが、結局のところ一番無難だ。
大太刀は、『斬れないものはない』という説明書き通り、最大級に身体強化をしていたこ
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