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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第九章―才能と価値―#2
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よろしくお願いします。────おば様、それでは書斎をお借りします。シェリア、また後で」
「ええ、また後で」
「頑張ってね、リゼちゃん」
黙って控えていたシェリアとおば様に声をかけてから、ロイドと書斎へと向かった。
ロウェルダ公爵邸には、当主、夫人、それぞれが執務に使用する書斎、そして子息や息女が学習するための書斎と、全部で5か所も書斎があるらしい。
私が使わせてもらう書斎は、現在、誰の専用でもない一番小さな規模のものとのことだが、それでも十分な広さだ。レド様のお邸の図書室の一階層部分に相当する。
その部屋の中央に置かれたデスクの上に帳簿を広げ、ロイドに見せる。
「帳簿の記入については、お教えするまでもございませんね。計算も出来ています」
この世界もありがたいことに十進法なので、前世で四則演算は習っているから計算は確かに出来るけど、実はこれについては、【
現況確認
(
ステータス
)
】のおかげだったりする。
お預かりしているレド様の予算は共通のアイテムボックスに入れているのだが、【
現況確認
(
ステータス
)
】を開くと、どうも私の記憶が反映されるようで、支出が一覧となって表示されるのだ。
しかも、支出の合計金額、残金まで表示される。私はこれを帳簿に書き写しているだけなので、何だかズルをしている気分になってしまう…。
「…はい。ですから、私が教えていただきたいのは、どういったことに予算を割くべきなのか、またその場合、予算はどのくらい充てるべきなのか───ということなんです」
「なるほど。それでは、まず皇宮の参加必須の行事や式典の確認から行いましょう。その後は、殿下が辺境に着任した場合、どういったことに皇子としての経費を充てるべきか教えていくことに致しましょうか」
「はい、お願いします。それと、もし負担にならなければ、補佐官としての他の仕事についても教えていただけないでしょうか」
「私は構いませんが…」
「特に、公的書類の書式を教えていただきたいのです」
ラムルさんを呼び戻すことになっているので、私がそこまでする必要はないかもしれないが、知識があれば手伝えることもあるはずだ。
少しでも────レド様の役に立ちたい。
それに、いつまでも、おじ様やロヴァルさんに頼りきっているわけにはいかない。書類をこちらで用意出来たら、それだけでもおじ様たちの負担が減るだろうし。
「解りました。リゼラ様がそれを望むのであれば、お教えいたしましょう」
私の決意があまりに意気込んで見えたのか、ロイドは少し微笑まし気に笑って、承諾してくれた。
※※※
「これは────」
ロウェルダ公爵邸の図書室で、ルガレドの邸のダイニングテーブルよりも大きいデスクに広
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