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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第九章―才能と価値―#1
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つけた術なのだ。

 採取を依頼されるような植物は、葉先から根まで魔素を大量に含んでいるものが多い。

 魔素を多く感じる場所を地中から探って、そこに向かうと大抵、お目当ての植物が生えていた。

 何度も何度も探るうち、木や草などの種類、果ては川や空き地、小道のその幅や距離などが、段々と解るようになった。

「この所々にある〇印や×印、日付と時間は?」
「〇印は無事に野営が出来た場所で、×印は野営には向かない場所です。日付と時間は、その街道や道を通過するのに、どれくらいの時間がかかるのか判るように記してあります」

「本当にすごいな…。生息する魔物の種類だけでなく、川や湧き水の場所、それに植生なども書き込んであるのか」

「今まで退治した魔獣の種類や出現場所まで、書き込んでありますね。こうして見ると────魔獣の出現にも法則があると解りますね。これはギルドに報告すべき事柄では?」
「ええ。すでに報告済みです。対策もされ始めています」

 実は報奨金も貰っている。

「この図形は何ですか?」
「文字で書くとスペースをとられるので、マークを決めてそれを描くようにしているんです。例えば、このマークは図書館、このマークは教会という風に」
「なるほど」

 いや、そんなに感心しないでください…。前世の地図の描き方を参考にしただけなので…。

「その都市や街のおおよその人口だけでなく人種、産業───それに、文化やタブーまで書き込んであるな」

 いや、だって、向かうにあたって、その土地やそこで暮らす民族の文化は大事ですよ?

「この黒い文字と青い文字、それとこの赤い文字はどう違うのですか?」
「黒い文字で書かれた情報は、自分で見たり現地の人に聞いて確かめたものです。青い文字の情報は、文献で読んだり、人伝に聞いただけのものです。赤い文字の情報は、間違っていることが解って訂正したものや、私が重要だと思ったものです」

「…この地図だけで、一財産築けますよ」
「確かにな。大陸の主要国家の主だった都市の情報だけでなく、周辺の村や町、街道や枝道、河川まで描き込んであるんだ。商人だけでなく、欲しがる国家も多いはずだ」

 ジグとレド様が真剣な表情でそんなことを話すので、私は驚いてしまった。

 確かに地図の重要性は判るけど────書き込みの内容はそこまでのものではない。

「道も河川も私が知覚したものしか描き込んでいないですし、この情報の方も大したことは書いてないですよ?すぐ手に入る情報ですし」

 実際、本で読んだり、冒険者仲間や商人、現地の宿屋や食堂の従業員さんなどに聞いただけのものだし。

「この小さい方の地図だって、これだけでも十分、財産になりますよ」

 レナスが小さい方の地図をしげし
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