暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第八章―護るべきもの―#4
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 レド様は手にした【神剣】を少し眺めてから、鞘を払った。曇り一つない、まるで鏡のような聖銀(ミスリル)の剣身が露になる。

「ルガレド様、その剣は────」

 事態に気が付いたジグとレナスが、こちらに寄って来る。

「ファルリエム辺境伯家に伝わっていた───神竜ガルファルリエムが造った【神剣】だそうだ」
「まさか───」
「では…、ファルリエム辺境伯は知らずに?」
「おそらくは」

 ジグとレナスも驚愕しているところを見ると、やはりファルリエム辺境伯家には本当に何も伝わっていなかったのだろうか。


「それでは、残りの武具に【防衛(プロテクション)】を施してしまいますね」

 大剣1本、両手剣2本、片手剣3本、ナイフを含めた短剣が6本。それから、ハルバードが2本。

 すべて、ファルリエム辺境伯領に居を構えていた名工───ドルクが造ったものらしく、柄や鞘の装飾など、意匠が似通っていて、レド様の皇子としての個章である、“第一の月”を模った紋章が刻まれていた。

「あ───念のため、もう一度【最適化(オプティマイズ)】をかけてからにしましょうか。レド様、武具の傍に立ってもらえますか?」
「ああ」

 私は、レド様と武具を包み込むようなイメージで、【最適化(オプティマイズ)】を発動させる。

 あれ?何か────魔力が思ったより持っていかれている気がする…。

 魔術式と武具を覆っていた光が消え、私は慌てて武具を確認してみる。

 予想に反して、デザインや形状などが大まかに変化しているなどということはなく、私は安堵した。

 ファルリエム辺境伯がレド様のために用意した武具だ。レド様も思い入れがあるだろうし、私のイメージで勝手に創り替えてしまうようなことになっていたら申し訳ない。

「では、【防衛(プロテクション)】もかけますね」
「ああ、頼む」

 【防衛(プロテクション)】をかけるのは初めてではないので、戸惑うことなく終える。ちゃんとかかっているかどうか、【解析(アナライズ)】で確かめてみると─────


【マーニ・シールズ:ルガレド専用】
 名工ドルクによりルガレドのために造られた素体に、超級魔(オーバーグレード)導師(・ウィザード)リゼラが最愛の主ルガレドを想い、補強と保善を施したため、【霊剣】と成った。ルガレド以外の者が扱うことは出来ない。物質で斬れないものはなく、【魔法】、【魔術】、【魂魄】ですら斬り裂く。超級魔(オーバーグレード)導師(・ウィザード)リゼラの最上級の魔術によって永久保存が施されているため、刃毀れや損壊は一切することはない。月銀(マーニ・シルバー)製。


「っ!?」

 な、なな何これ…っ。

 『超級魔導師リゼラ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ