暁～小説投稿ｻｲﾄ～:コントラクト・ガーディアン─Over the World─ 第八章―護るべきもの―＃３

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コントラクト・ガーディアン─Over the World─

第一部　皇都編
第八章―護るべきもの―＃３
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「何だってこんな代物が、宝物庫にあったんだ…？」

　しかも、一番グレードの低いものばかりを集めた宝物庫に、無造作に置かれていたという。

「レド様はどういった経緯で、この剣を選んだのですか？」
「最初に宝物庫に入ったとき、真っ先に目についたんだ。だけど、そのときは親衛騎士候補は男だったから、手には取らなかった。リゼに変更になったと聞かされて、剣も替えた方がいいだろうと思って、また宝物庫に行った。そうしたら、再びこの剣が目に入って…、これがいい────これにしようと思ったんだ」

　レド様には、きっと何か感じるところがあったんだろうけど…。

「偶然だとは思うが────何だか…、釈然としないな」
「ちょっと色々と重なり過ぎですよね…」

　私は【聖騎士(グローリアス・ナイト)】の【聖剣】を呼び出す。

　この【聖剣】やその他装備類は、どうも【認識章(コード・クレスト)】に紐づけられている【異次元収納庫】に収められているらしい。

　すべて私の所有物となっているので、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で、個々に取り寄せることが可能だ。

「これが、【聖騎士(グローリアス・ナイト)】とやらの【聖剣】ですか」
「確かに、そっくりですね」

　ジグもレナスも、事情を話していないのに、【聖騎士(グローリアス・ナイト)】の件を知っているということは、ロウェルダ公爵邸にも潜り込んでいたということなんだろう。

　あの厳重な常時警戒態勢のロウェルダ公爵邸に、気づかれずに入り込めるなんて、この二人────私が想定しているよりもずっと高い実力を持っているのかもしれない。

　とりあえず、この【聖剣】の方も【解析(アナライズ)】で見てみる。

【聖剣ver.９：リゼラ専用】
　神代遺物である【真なる聖剣】を元に造られた人工の【聖剣】。【潜在記憶(アニマ・レコード)】を読み取り、自動的に使い手にとって最適な形状に変形する。また、【等級】は使い手の魔力量によって変化するが、現在は【神霊】や【魂魄】をも斬り裂くことが可能な【超級】となっており、損壊しても完全原状回復が可能。

　こちらも思ったより、とんでもない…。

　私は、【聖剣】の鞘を払う。そういえば、抜くのは初めてだ。刀身の素材は何だろう。

「これは────聖銀(ミスリル)…？」

　メインは聖銀(ミスリル)で間違いない。だけど、刀身の中心部分に聖結晶(アダマンタイト)が嵌め込まれ、複雑な幾何学模様みたいなものが、びっしりと刻まれている。

　これは、もしかして───幾重にも重なった魔術式？

「剣というよりも、魔導機構みたいだな」
「多分、そうなのだと思います」

　私は溜息を吐(つ)いて、【聖剣

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