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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#5
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処刑?────国のために命懸けで戦って戻ったレド様を?────それも…、護ったはずの国民に罵られながら?
どうして────どうしてレド様がそんな目に遭わなければならないの?
「セアラ様は…、ルガレド様の落とされた首を抱いて────自らの首を切って自害されたとのことです」
あまりの悲惨さに────血の気が引いて、寒気がした。
「そして、亡くなられたセアラ様は────ルガレド様の魂魄を抱いたまま、“深淵”に堕ちて────そこで…、大賢者ガルファルリエムと出会いました」
「────ガルファルリエム?」
どうして、ここでその名が?
「ええ。ガルファルリエムです。
彼
(
か
)
の大賢者は、嘆くセアラ様に───時間を戻り、やり直す方法を授けてくださったそうです。だけど、それにはセアラ様の魂魄を使う必要があった。
セアラ様は迷わず、やり直すことを選んだとのことでした」
「オレは…、セアラ様が生まれ直したことは信じつつも、この深淵で大賢者に会った下りは半信半疑でした。
ですから、リゼラ様がルガレド様の神眼をお調べになられたとき────総毛立ちました。このセアラ様が会った大賢者が、神竜ガルファルリエムの化身であったなら…、子孫であるセアラ様の前に現れても────やり直す
術
(
すべ
)
を授けてくださっても、何らおかしくはない────」
不意にレナスの話声が遠のき────ぼんやりとしたヴィジョンが、蜃気楼のように湧き上がった。
深淵────
昏
(
くら
)
い…、何もない空間────
誰かが佇んでいる────胸元まで闇が覆っていて────
顔は見えない────体つきから見ると────男性…?
あれは…、あれは────誰?
「リゼラ様?」
声を掛けられ、正気に返る。
─────今のイメージは何…?
「いえ…。続けてください」
ジグとレナスはちょっと気づかわし気に私を見た後、再び口を開いた。
「セアラ様は、ルガレド様の魂魄を抱いたまま生まれ直したそうです。今世では脆弱で、騎士となる道は断念されました。
それでもロレナ前皇妃をお護りし、ルガレド様をお産みになるために、セアラ様は側妃に立候補し、やはり今世でも皇王陛下にお気に召され、後宮へと入られました」
「ですが…、ロレナ前皇妃をお護りすることは出来ませんでした。今世では第一皇子を出産される直前にロレナ前皇妃は亡くなられました。
そうして────今世では先代ベイラリオ侯爵の要求を撥ねのけることが出来ずに、ジェミナ皇妃が後宮に上がることとなったのです」
「誤算はそれだけではありませんでした。ルガレド様の神託が、何故か“一度目の人生”とは違い、『英雄』と下されたことでした。
すでにジェスレム皇子が産
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