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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#4
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感情を表さない?────レド様が?
些細なことで喜んでくれて、嬉しそうに笑ってくれる。そして、私に対する理不尽に自分のことのように怒ってくれる────私はそんなレド様しか知らない。
「リゼラ様には想像もつかないでしょう。貴女といるときのルガレド様は、いつだって楽しそうに笑っていらっしゃいますから」
「ルガレド様があんなに楽しそうに───幸せそうになさっているのは、すべてリゼラ様のおかげです。きっと他の者ではこうはならなかった。ですから、お礼を申し上げたかったのです」
ジグには────私といるときのレド様が幸せそうに見えているの…?
確かに、幸せそうな顔をしてくださるときもある。
他人から見ても、そう見えるなら───私の独りよがりなどではなく、本当にそうだとしたら───私といることで、レド様が幸せを感じてくれるならば───こんなに嬉しいことはない。
「ありがとうございます。そう言ってもらえて、本当に嬉しい……」
すごく嬉しくて────自然と顔が綻ぶ。私がお礼を言うと、ジグとレナスは目を見開いた。
「さて、本題に入りましょうか。それでは───ジグ、レナス、話してくれますか?」
何故か黙り込んでしまった二人に、私から水を向ける。
「…っは、申し訳ございません!」
「も、申し訳ございません…っ」
何が?────と思ったが、黙って話し始めるのを待つ。
「……リゼラ様は、先程、このお邸の建造時期について疑問に思われたのではありませんか?」
「ということは─────やはり、私の勘違いではないのですね?このお邸は25年前───レド様が生まれる前に建てられた」
「そうです。セアラ様のご懐妊が判明するとともに、建造を開始し、ルガレド様がお生まれになる直前に完成いたしました」
「それなのに、このお邸に神眼の性質を考慮した対策が取られているのは、何故ですか?───まるで、レド様が神眼を持って生まれることが判っていたみたいに───」
言いながら、私は、誰かが知っていたのだろうことを確信していた。それに、神眼の性質も知っていたのだ───と。
それは────おそらく、セアラ側妃だ。
「セアラ様が、神眼を持つお子をお産みになられることは───以前から…、それこそセアラ様が物心ついたときには、辺境伯家では判っておりました」
「……どういうことですか?」
「セアラ様は、リゼラ様と同じ───記憶持ちでありました。ですが、他の記憶持ちとは事情が異なっておりました。セアラ様には、前世で別の人間として生きた記憶ではなく…、セアラ様として───ファルリエム辺境伯家のご令嬢として生まれレーウェンエルダ皇国皇王の側妃として生きた記憶があったのです」
「セアラ様
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