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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#3
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べきことはこれくらいでしょうか?」
「ああ、今のところはこれぐらいだろう」

「…あ、そうだ。もう一つだけ。ジグとレナスにも、私たちの鍛練に付き合って欲しいんです。お互いに実力を把握しておいた方が良いと思いますし、なるべく色々な人と手合わせした方が鍛練になりますから」
「そうだな。それに、共闘する場合もあるだろうから、お互いの動きに慣れておいた方がいい」
「それはそうですね」
「こちらとしても願ったりです」

 ジグとレナスは私とレド様の言葉に頷いた後、二人で目配せしてから、ジグが口を開いた。

「ところで───ルガレド様。ラムルとカデアを呼び戻すおつもりはありませんか?」

「……ラムルとカデアを?」
「はい。ルガレド様は成人されて、もう使用人を直接雇い入れることが出来るはずです」
「だが…、もう8年経っている。ラムルとカデアだって、自分たちの生活があるのではないか?」

 ジグの提案に、レド様は戸惑ったような表情を見せる。レナスが後を引き取って話を続けた。

「オレたちはこの8年、ずっとラムルたちと連絡を取り続けておりました。シェラは結婚して家庭を持ったらしいので無理ですが、ラムルとカデアは、今だにルガレド様にお声をかけられるのを待っております」
「…本当に?」
「はい。ルガレド様が成人されることを知らせたら、ぜひルガレド様にお伺いを立てて欲しいと返信がありました。どうか、考えてはもらえませんか?」

「俺としては勿論、二人が帰って来てくれれば嬉しいが───だけど、俺の立場は未だに危うい。あの二人は…、そろそろ高齢に入る。負担になりはしないだろうか」
「それは無用の心配です、ルガレド様。お忘れですか?あの二人がファルリエム辺境伯家門でも屈指に入る実力者であることを。だからこそ───セアラ様とルガレド様の側付きとして送り込まれたことを」

「それに、リゼラ様のことを考えれば、あの二人がいた方がよろしいかと思います」
「リゼラ様の負担も減りますし、女手があった方がいいのではないですか?」

 あ、ずるい。私のことを持ち出したら───そんな言い方をされたら、レド様は頷くに決まっている。

 でも、私は黙っていた。レド様のためには一人でも味方は多い方がいい。

 それに───何よりも、レド様はラムルさんとカデアさんに戻って来て欲しいのではないかと思うから────

 レド様は意を決したような強い眼を、ジグとレナスに向けた。

「ラムルとカデアに連絡を取ってくれるか?どうか───俺の下へ戻って来て欲しいと」

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