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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#3
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ていて思ったんです。それなら、その護衛は何処で寝泊まりしていたのだろうって疑問が掠めたのに───もっと突き詰めて考えるべきでした」
「いや…、そこで疑問に思うリゼはすごい。俺は、暗殺者が入り込んできたあのとき、ジグたちが何処から駆け付けたのかなんて考えもしなかった」
「それは───仕方がないことだと思います。レド様は、お母様を亡くされた上、左眼を損傷してしまったのですから、それ以外のことに意識が向かなくても仕方がないです」
私がそう応えたとき、何故かジグとレナスが小さく声を上げて笑った。
「リゼラ様は真面目な方ですね」
「それにとても賢い」
「え、そんなこと」
ない───と私が言い終える前に、レド様が嬉しそうに頷く。
「そうだろう?俺のリゼは、美しいだけでなく───優しくて、真面目で賢い上に───とても頼りになる」
「…っ茶化さないでください、レド様」
「俺は真実を述べただけだ」
真顔で言わないでください、レド様…。
「…レド様は私に対する
贔屓目
(
ひいきめ
)
が酷過ぎます」
レド様は楽しそうに笑いながら、いたたまれなさで縮こまる私の頭を優しく撫でた。
◇◇◇
「この真下が、厨房となります」
ジグとレナスに先導されて辿り着いたのは、レド様の私室と厨房の間に造られた隠し部屋だった。
「厨房の天井は、他の部屋と比べ少し低い気はしていましたが…、こんな部屋があったなんて────」
「いえ、ここも元は立つことが出来ない、もっと狭い空間でした」
ということは、【
最適化
(
オプティマイズ
)
】で拡張されたのか───とすると、ここは異次元空間なのかな。
部屋の真ん中部分の床に、硝子のようなものが嵌っており、厨房を見下ろせるようになっている。厨房の天井に設置された窓型ライトが、どういう仕組みなのかマジックミラーのようになっているようだ。
「どうやって降りるんだ?」
「以前は設置されていた出入り口からしか降りられなかったのですが、今は『降りたい』と思うだけでどこからでも降りられます」
「では、まずオレが降りてみせます」
レナスがそう言うと、レナスの足元に魔術式が現れ、それに吸い込まれるようにしてレナスが消える。厨房を見下ろすと、レナスが厨房に降り立っていた。
「では、順に降りていきましょう」
◇◇◇
中肉中背で、茶色い短髪と緑色の眼をしているのが───レナス。
レナスより少し小柄で、焦茶色の短髪と紅い眼をしているのが───ジグ。
明るい所で見てみると、髪や眼の色、体格に違いはあるものの、二人とも雰囲気はどこか似通っている。
どちらも、顔の造りが凡庸というより、やはり化粧か何かで印象が残らないよう
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