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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#3
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んだようですが、レド様と私の契約とは少し違うように思えます。多分ですが、どちらかというと、私とネロの契約に近いのではないかと」

 レド様と私の繋がりほど、二人とは深く繋がっていない気がした。

「そうか…。検証してみなければいけないな」
「レド様、ともかく場所を移しませんか?お茶でも飲みながら、ゆっくり話しましょう」
「そうだな」


◇◇◇


 せっかくなので、隠し通路を通って、厨房へと向かうことにした。ジグさんとレナスさんの先導で、隠し通路や隠し天井?を縫って進んで行く。

 どの部屋も天井か壁のどちらかが必ず、隠し通路と接しているとのことだ。

 まるで、“忍者屋敷”のようで、私は内心ワクワクすると同時に、こんなものが張り巡らされていたことに気づかなかったことにも、考えつかなかったことにも、ちょっと落ち込む。

「ジグさん、レナスさん───」
「リゼラ様、我々に敬称は不要です。どうぞ、ジグとレナスとお呼びください」

 そう言われてしまい、少し迷ったけれど、そうさせてもらうことにする。

「では、ジグ、レナス。時間があるときでいいので、この隠し通路を案内してもらえますか?どの部屋のどの部分が隠し通路に接しているか、何処と何処がどう繋がっているか、頭に入れておきたいので」
「「かしこまりました」」

 正直、今回のことは私の不覚だ。レド様に邸を案内してもらって、間取りを確認しただけで満足してしまった。

 やはり邸内に施された機能などを把握しておくべきだと思って、暇を見て、色々な個所を【解析(アナライズ)】してはいたけど、もっと念入りに調べておくべきだった。

 間取りや死角、誰かが潜めそうな空間や隠し部屋などの把握は、護衛なら最初に必ずやらなければならないことなのに────古代魔術帝国の技術力に安心して、それを怠った。親衛騎士として失格だ。

「リゼ?」

 私が少し落ち込んでいることを、敏いレド様は感じ取ってしまったようだ。

「申し訳ありません、レド様。こんな隠し通路があることに、私は気づかなければならなかったのに」
「いや、ずっと住んでいた俺でさえ気づかなかったくらいだ。来たばかりのリゼが気づかないのも、無理はない」
「その通りです、リゼラ様。この隠し通路は、神眼持ちのルガレド様に気づかれないよう、厳重に仕掛けが施してあるのです。リゼラ様が気づかなくとも無理はありません」

 レド様に続いて、レナスが慰めてくれる。

「でも、疑問に思ってはいたのです。レド様は左眼を損傷された件で、『護衛が暗殺者を抑えきれなくて』と仰ったでしょう?ラムルさんやカデアさん、シェラさんのことは役職ではなく名前で呼んでいたので、三人の使用人とは別に『護衛』がいたのかなと、お話を聞い
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