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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#1
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に馬鹿にされようと────俺にとっては生まれ育った大事な家だ。この大事な家を────リゼも“自分の家”だと思ってくれているんだな…」

 レド様の言葉で気づく。そっか────ここは“私の家”なんだ…。

「リゼは、いつも邸に戻るとき、『邸に帰ろう』と言ってくれるだろう?俺はそれが嬉しいんだ。リゼと一緒にこの邸に帰って来れるのが────本当に嬉しい」

「レド様…」

 私も両腕をレド様の背中に回し、ぎゅっとレド様を抱き締める。

 私は、馴染み切る前に実家を失ってしまった。孤児院は私を救ってはくれたけれど、“家”にはなり得なかった。

 今世では私に“帰る家”なんてなかったのに────

「私も嬉しいです…。ここは私の───レド様と私の“帰る家”なんですね…」
「リゼ…」

 レド様が私のこめかみに口づけるのを感じた。

 レド様は腕を解いて少し身体を離して、今度は顔だけを私に近づける。咄嗟に目を瞑ると、唇に温かく柔らかいものが触れた。

 その感触に驚いて目を開けると、間近でレド様が私を見ていた。その熱っぽい眼差しに、少し戸惑ってしまう。

 今のって────私…、レド様とキスしたってことだよね…?

 前世含めて初めての経験に、頭が沸騰しそうになる。

 レド様がもう一度顔を近づけたので、私は無意識にまた目を瞑った。今度は、さっきよりも強く長く口づけられる。

 温かい感触が離れ、ゆっくり眼を開けると、やっぱり熱っぽい眼差しをしたレド様と目が合った。

 視線を外せなくて、しばらく見つめ合っていると────私たちを見ている気配を感じて我に返る。

「ネネネネネネネネロ!?い、いつからそこに…!?」
「いやだな〜。リゼ、忘れちゃったの。ボク、最初からこのサンルームにいたでしょ?」

 そういえば、そうだった…。

「リゼとルードはつがいになったの?」

 ネロは、今見たことなど何てことないように、きらきらと目を輝かせて無邪気に訊く。

「いや、まだ(つがい)になる約束をしただけだ」
「人間て変な生き物だね。約束なんてしてないで、そのままつがいになっちゃえばいいのに」
「ああ、そうだな。本当は俺もその方がいいんだが」

 そんなこと真面目に言わないでください、レド様…。

「でも、よかったね〜、ルード、リゼが大好きだもんね。ボクがリゼに抱っこされてると、うらやましそうにしてるし」

 え、そうなの?ネロを撫でたいのだと思ってた。

「いや、それは…、羨ましいというか────」
「リゼを抱っこするんじゃなくて、抱っこしてもらったら?」
「いや、だから、別に抱っこが羨ましいのでなく────」
「抱っこじゃないの?」
「それは…、お前があまりにもリゼ
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