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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第七章―拠りどころ―#1
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 悩んだ挙句、サンルームで小説を読むことにする。サンルームのソファに向かうと、すでにネロがとぐろを巻いていた。

「あれ、リゼ?」
「ネロ、私もここで過ごしていい?」
「もちろん!」

 私がソファに座ると、すかさずネロが私の膝に乗り上げて、またとぐろを巻く。ああ、可愛い…。

 ネロのすべすべの毛を撫でながら────ふと、レド様は何をしているのかな、と考える。

 一緒に過ごしたい願望がもたげて、私はそれを振り払うように(かぶり)を振った。いくらレド様だって、四六時中私に付きまとわれたら、気が休まらないよね。

「大人しく、小説を読もう…」

 私は、セアラ側妃が残した小説の一冊を【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で取り寄せ、表紙を開いた。

 その小説は、意外なことに冒険小説だった。

 とある貴族の三男坊が立身出世を夢見て家を飛び出し、次々に襲い来る困難をその機転と剣術でぶち破り、最後は途中で出会ったお姫様とハッピーエンドというストーリーである。

 荒唐無稽でありながら、軽快な文章のせいか、最後まで一気に楽しく読んでしまった。

「結構、面白かったな」

 舞台は300年ほど前のレーウェンエルダ皇国になっているけど、ここに出てくる貴族たちやお姫さまって実在した人物なのかな?

 後で、調べてみよう───などと考えながら、本を閉じる。

「あれ?」

 何故だか、身動きがとれない。
 横から、誰かに───抱き抱えられている?

 振り向くと、レド様が私を抱き抱えたまま、本を読んでいた。

 ええっ、何これ───いつの間に?

「ああ、リゼは読み終わったのか。ちょっと待ってろ、俺もあと少しで切りのいい所まで行くから」

 うう、レド様には何度か抱き締められてはいるけど、それでも、緊張というか────その温もりにドキドキしてしまう…。

 レド様は、切りのいい所まで読み進んだらしく、本を閉じて【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で片づけると、私を抱き締める腕に力を入れ、私の頭に自分の頬を寄せた。

「悪い。リゼは一人になりたいのではないかとも思ったんだが────どうしても一緒に過ごしたくなって」

 少し心細そうな声音で、レド様が不安気に言う。

「ふふ、私も同じことを考えていました。レド様と一緒に過ごしたいなって」

「本当か?」
「はい。でも、レド様は一人になりたいかもしれないと思って、一人で本を読むことにしたんです」
「そうか…。本当に同じことを考えていたんだな」

 レド様が嬉しそうに笑ってくれたので、私も嬉しくなる。

「それでは、レド様、こうしませんか。一人でいたいと思ったときは自分の部屋に籠るんです。それ以
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