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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第六章―約束―#5
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きて!?」
「…っは。…ごめんなさい、つい取り乱しました。それで、今日はどういったご用件でしょうか?」

 何事もなかったかのように、とてもいい笑顔で言うセラさんにちょっぴり戦慄しつつ、ギルドマスターに繋ぎをとって欲しいことを告げる。


◇◇◇


「お待たせしました。こちらへどうぞ」

 2階にある応接室へと案内され、レド様と二人で向かう。前を歩くセラさんに気づかれないように、こっそり【認識妨害(ジャミング)】を解いた。

「失礼します。ギルドマスター、リゼラさんをお連れしました」
「おう。…セラ、ご苦労だったな。下がっていいぞ」

 セラさんが出て行くと、ギルドマスターであるガレスさんが口を開いた。

「リゼ、こちらが例の?」
「はい。このレーウェンエルダ皇国第二皇子であられるルガレド殿下です」

 ガレスさんには、レド様のことをあらかじめ伝えてあった。

 レド様が【偽装(フェイント)】を解いて、淡紫色の瞳を現す。ガレスさんは一瞬だけ驚いた表情を見せたが、すぐに元の無表情に戻った。
 
「レド様───こちらはこのギルドを統括している、ギルドマスターのガレスさんです」
「ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダという。よろしく頼む」
「ガレスといいます。こちらこそ、どうぞお見知りおきを」

 国をまたいで展開する冒険者ギルドには王侯貴族の身分は意味を成さないものではあるけれど、それでも最低限の礼儀は見せる。

 ガレスさんに促され、ソファに向かい合って座る。私はレド様の隣に腰かけた。

「ルガレド殿下は───」
「アレドでいい。通称はそれで通すつもりだ。それから、冒険者には身分は関係ないと聞いている。皇子として扱わなくていいし、敬語も必要ない」
「…解った。それじゃあ、遠慮なくいつも通りにさせてもらう。───冒険者には皇族としての身分は通用しないってことを言いたかったんだが…、その分なら、言わなくても大丈夫そうだな。まあ、リゼがそんな奴を連れてくるはずがないか」
「当たり前だ」

 何故か、レド様が他人事───いや、自分のことのように頷いている。レド様?

「冒険者ギルドは、犯罪者以外なら、どんな身分の者であろうと、どんな奴であろうと受け入れる。特に、お前さんのような実力者は大歓迎だ。
これまでの魔獣討伐による実績は聞いているし、Sランカーであるリゼの推薦もある。多分、BランクかCランクから始めてもらうことになるだろう。
これまでの実績の詳細が届き次第、それを踏まえてランクを決めるつもりだ。そのために5日は欲しいところだな」

「5日ですか。もっと時間がかかると思っていました」

「そちらの旦那が(おこな)った魔獣討伐には、冒険者も参加していたからな。参加し
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