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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第六章―約束―#2
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側近をしていた方なんです」
「それでは、俺もその者に教授願えるということか?」
「ええ。きっと、嬉々として教鞭をとってくれることでしょう」
おじ様は、何かを含んだ笑顔でそう答えた。
ロヴァルさんは何だか遠い目をしている。レド様が、それを見て何かを悟ったようで、ロヴァルさんと同じような、遠い目をする。
………何だろう、この雰囲気。
「あ、爺は、リゼには甘いから大丈夫だよ」
おじ様、それ、何のフォローですか?
「殿下とリゼは、この後どうするつもりなのかな?」
「出来れば、街に行きたいと思っています。まだレド様を案内できていないし…」
「それなら、あの魔道具で行くよね。我が公爵邸へも寄っていくのかな?」
「はい、寄らせていただきたいと思っています。シェリアやおば様、シルムにも婚約のことを報告したいですし」
「そうだね。それでは、殿下とリゼが行くことを、こちらの方で連絡しておくよ」
「ありがとうございます、おじ様。お願いします」
そろそろ、おじ様の業務が始まる時間だ。お暇しなきゃ。
「あ、そうだ。おじ様、これ────」
私は【
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】で、アイスボックスクッキーが入った間口の大きい瓶を取り寄せる。
「前世の世界で食べられていたお菓子なんです。たくさん作ったので休憩時間にでも」
どうぞ───と言い終わらないうちに、横からロヴァルさんが差し出した瓶を取り上げた。
「ありがとうございます。大事に食べさせていただきます」
にこやかに応えて、ロヴァルさんはさっさと瓶を持って行ってしまった。思わず、ぽかんとしてしまった私に、おじ様が苦笑しながら教えてくれる。
「実はロヴァルは甘いものに目がなくてね。…私の分も残しておいてくれるといいけど」
そ、そうなんだ…。いつもはクールなロヴァルさんの思いがけない一面を知ってしまった…。
「ところで、あれはリゼが作ったのかい?」
「はい。レド様と一緒に」
昨日の夜、夕飯を一緒に作ってサンルームで食べて、後片付けを終えた後も何だかレド様と離れがたくて────それなら一緒にお菓子でも作ろうと思い立ち、二人でクッキーを作ったのだ。
「え、殿下と?殿下も料理をされるのですか?」
「ああ。リゼに教えてもらって、一緒に作っている」
すごく幸せそうな表情で、レド様が頷く。
「……そうですか」
そんな砂でも吐きそうな顔をしないでください、おじ様……。
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