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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第六章―約束―#1
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なるべきお方だ。

 私ではその妃は───レド様の伴侶は務まらない。

「俺は帝王学は学んではいるが、公務からも社交界からも離れて長い。皇妃一派が一掃されたとしても、皇位を継ぐのは、俺には無理だ。継ぐつもりもない。だから…、お願いだ、リゼ。そんな理由で───そんなことで断らないでくれ」

 そう懇願するレド様の声は震えていた。

 レド様の腕に力が籠って、まるで放さないというように、もっときつく抱き締められる。

 レド様が、心から私を求めてくれているのは解る。

 でも───本当にいいの?
 レド様は、本当に───それで後悔しない…?

「本当に───本当に…、私でいいんですか…?」
「何度も言っているだろう、俺はリゼがいいと。リゼがいいんだ。リゼに傍にいて欲しい。役に立つとかそんなことを考えなくていい。ただ、傍にいて笑ってくれるだけで───それだけでいいんだ」

 ああ、そんなの────

「私も…、私も同じです。生涯を共にするなら貴方がいい」
「…っリゼ」
「私も───貴方に傍にいて欲しい。貴方が傍にいて笑ってくれれば、それだけで────」

 私は、きっと幸せだ。

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