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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第五章―夜会とお披露目―#3
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え、【
聖騎士
(
グローリアス・ナイト
)
】の件もある。
「古代魔術帝国は、何かと戦っていたのでしょうか…?」
古代魔術帝国が大陸を席巻していた時代、他に名を残している大国はない。こんな大掛かりな支援システムが必要になるほどの敵がいたのだとしたら────それは何だろう…。
「あるいは、この国の在りし日のように軍事に力を入れていたか───だ」
だとしたら、これは、帝国として巨大化していく過程で産み出されたシステムなのだろうか。
────もう一つ、大きな疑問がある。
「レド様、私が【
遠隔
(
リモート・
)
管理
(
コントロール
)
】を初めて使ったときのこと、覚えてますか?」
「ああ、覚えているが…」
「あのとき、レド様は私に仰いましたよね、『前世は古代魔術帝国で生きていたのか』と。あのときは聞き流してしまいましたが、さっき同じような会話をしていて、おかしいなと思ったんです。
この世界には、私と同じような“記憶持ち”は珍しくありません。なのに、何故、古代魔術帝国の情報は何も残っていないのでしょう。古代魔術帝国の崩壊に伴って情報が失われたとしても、その後に生まれた記憶持ちによって、何かしらの情報がもたらされているはずだとは思いませんか?国の名前さえ、伝わっていないというのは妙だと思うのです」
そう、さっき引っかかっていたのは、それだった。
何故、誰も疑問に思わないのか。それとも、私が知らないだけで、もう理由が解き明かされていたりするのだろうか。
「そう言われてみると、確かに妙だな…」
「考えられるのは、古代魔術帝国が崩壊した後で記憶持ちが現れるようになったか────」
「あるいは、何者かが意図的に情報を消し去ったか────」
「その両方ということもありえます」
「……未だに脅威が残っていると思うか?」
「判りません。古代魔術帝国崩壊から、すでに1500年あまりが経っています。普通に考えたら遥か昔のことですが、古代魔術帝国の技術を見てしまうと、何かが残っていてもおかしくないようにも思えます…」
「……いずれにせよ、今の時点ではどうしようもないな。杞憂かもしれないが、用心しておくことにしよう」
「そうですね。一応、情報は集めてみますが…」
「頼む。だが、万が一古代魔術帝国の情報を消し去りたい存在が現存していた場合、逆に刺激してしまう可能性もある。あまり積極的には調べなくていい」
「解りました」
◇◇◇
その後は、気を取り直して、みっちり魔術の検証をした。
夕飯は、レド様にレクチャーしながら、二人でオーソドックスな野菜スープとシンプルな味付けのチキンステーキを作った。
レド様に覚えてもらうなら、まずは簡単に手に入る食材で作れるものの方が良いので、し
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