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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第五章―夜会とお披露目―#3
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いえ、困りますっ。そ、そんなことになったら、わ、わたしが、叱責されてしまう…っ」

 正直、そんなこと知ったことではないのだけど────

「おっ、お願いしますっ、どうか、どうか出席してください…っ」

 まあ、本気で欠席するつもりではないから────ここが潮時だろう。

「解りました。今回だけは、貴方の顔を立てましょう。ですが、またこのような不手際をするようなら、次は必ず貴方の責任として追求した上で、欠席させていただきます」
「わ、わかりました、次はこのようなことにならないようにいたしますので…っ」

 ()()うの(てい)で逃げるように去っていく侍従を、確かにいなくなったと判るまで見送る。

 邸の中に入ると、レド様が待っていた。

「すごいな、リゼは。あの侍従、俺が何を言っても態度を改めなかったのに」
「目に見える権力に弱いのでしょうね。───しかし、あの人怯え過ぎではないですか?私、そんなに怖かったですか?」

 でも、あそこですんなり受け入れるのは、レド様への不当な扱いを許すことになるし────レド様に対するこの仕打ちにはすごく腹が立つから、さっきの言動に関しては後悔はないのだけれど────ちょっとショックかもしれない。

 だけど────

「いや、格好良かった。さすが、俺の親衛騎士だ」

 嬉しそうに、楽しそうに───レド様が笑みを浮かべてそう言ってくれたので、そんな気持ちはどこかへ行ってしまった。


◇◇◇


「懸念事項は済みましたし、この後はどうしましょうか?」
「そうだな。そういえば、リゼは魔術の検証を行いたいと言っていなかったか?」

 ちょっと早かったが、練習のためにレド様が記憶から再現したカデアさんの料理で昼食にした後、そのまま厨房のテーブルで、私たちは午後の予定を話し合っていた。

「はい。せっかく魔術を使えるようになったので、使ってみたいですし。それに、いざという時のためにも、早めに有用なものを見極めておきたいので。剣と組み合わせた戦い方もちゃんと研究しておかないといけないですしね」

「…リゼは、本当に色々考えているんだな。リゼといると、俺は、自分が暢気(のんき)な気がしてくる」
「え、それは、立場の違いですよ。私は親衛騎士で、レド様を護る役目がありますし、それに、冒険者ですから」

「先程も、冷静に対処していた。外の映像を見られるようにするなんて、俺には思いつかなかった」
「前にも言ったと思いますが、それは私の前世の記憶のおかげです」

 古代魔術帝国の技術なら出来そうと思っただけなのだ。

「ああ、言っていたな。古代魔術帝国の技術と似たような技術の概念があったと」
「はい…」

 レド様と話しながら、私は
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