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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第五章―夜会とお披露目―#2
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なっていた私は気づかなかった。
レド様の魔力は探るまでもなかった。体中に廻らすまでもなく、満ち満ちていたからだ。レド様があれだけ動けるわけだ。レド様が行わずとも、身体が魔力で強化されているのが常態なのだろう。
そういえば、レド様も、そんなに手入れ出来ていないはずなのに、髪や肌の状態がすごくいいものね。
まあ、でも、強化はしなくてよくても、【魔力操作】は覚えておいて損はないと思う。
私は、自分の魔力を使って、レド様の奥の方に留まっている魔力を引っ張り出すようにして、引き寄せる。
「レド様、魔力が動いているのが、判りますか?」
「ああ…。手の方へ───リゼの方へ流れていっている?」
「ええ。レド様の魔力を私の方へ引き寄せているんです。これが、魔力が動く感覚です」
私は魔力を引き寄せるのを止めた。そして、レド様の大きな手を────レド様の大きな手?
「っ!?」
「リゼ?」
「っす、すみませんっ、私…っ」
私は慌てて、両手で掴んでいたレド様の右手を放す。
「っと、とにかくですね、今度はご自分で魔力を動かしてみてください」
レド様は、ちょっと視線を泳がせた後、私の方を向いて口を開いた。
「自分で動かしてみるのに、その…、指標が欲しい、んだが…」
「指標、ですか?───確かにあった方がいいですね」
魔術陣は持ってないし、何かいいものはないかな───と、私が考えていると、レド様が言いにくそうに、言葉を続けた。
「その…、リゼの手を貸してくれないか。先程みたいに、リゼに向かって魔力を流すのなら、出来そうな気がする……」
「……え、と、その───そういうことでしたら、どうぞ…」
私が恐る恐る左手を差し出すと、レド様が、自分の右手で私の手をそっと包んだ。レド様の大きな手の少し冷たい感触に、それまで静かだった私の胸の鼓動が途端に大きく響き出す。
ダンスの練習で手を握られた瞬間もこうやってドキドキしてしまったけど、あの時はすぐにダンスに意識を向けて紛らわせられた。
「……ダンスの時も思ったが、リゼの手は小さくて、柔らかいな」
「…っ」
だから、そういうことを言わないでください…、レド様…。
◇◇◇
「なかなか難しいな…」
「レド様は魔力量が多いですからね。細かい操作は、私の場合よりも難しいかもしれません。ですが、魔力の動きは滑らかですし、後は練習あるのみですよ」
レド様に手を握られている事実から意識を逸らし、レド様の魔力操作の訓練に集中すること────数分。レド様は、すぐに自分で魔力を動かせるようになった。……早過ぎませんか、レド様。
「常に練習できればいいんだが…、ずっとリゼの手を握っているわけにもいかないし
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