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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第五章―夜会とお披露目―#1
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のソファで、ネロがとぐろを巻いているのが見える。ネロはサンルームが気に入っているらしく、大抵はここで過ごしているようだ。
今日のメニューはベーコンエッグとレタスを挟んだ“ベイクドサンドウィッチ”に、昨夜の残りのトマトスープだ。それと、デザートにサンルーム産の大きな
瑞々
(
みずみず
)
しい苺。
そう、葉物野菜の陰になっていて気が付いていなかったが、ここの畑には苺も生っていた。見つけたときは、思わず歓声を上げてしまった。
だって、前世だったら高値が付きそうな、大粒で甘そうな苺だよ?
ああ、“ショートケーキ”とか“苺タルト”とか作りたい。
「この、サンドウィッチだったか。美味しいな。こんな食べ方があるんだな」
「ええ。この食べ方は、中身やパンの種類を変えれば、色々なバリエーションが楽しめるんです。次は違うもので作りますね」
「そうなのか。それは、楽しみだな」
レド様の楽しそうな様子に、私も自然と微笑む。
「夜会を知らせる使者は、いつ頃来そうですか?」
「どうだろうな…。昼間に来ることもあれば、夕方の時もあったな」
「どうせなら、早く来ちゃって欲しいですね」
「そうだな。ところで、今日はどうする?」
「レド様は何かやりたいこと、やらなければいけないことはありますか?」
「いや、特にないな。…リゼは?」
「私は、ちょっと試してみたいことがあります。それから、魔術の検証もしたいです」
「…俺も一緒にやっても?」
「ええ、勿論です」
私がそう応えると、レド様は嬉しそうに口元を綻ばせた。誰かと何かを一緒にやるというのが、嬉しいのかもしれない。何となく私も嬉しくなって、笑みが零れた。
◇◇◇
私が試したいこと────それは、【
潜在記憶
(
アニマ・レコード
)
】を利用して、前世の食材と調味料を再現することである。
これが成功すれば、料理の幅はかなり広がる。
前世の私はまだ高校生のうちに亡くなったが、母親もフルで働いていたため、兄と家事を交代でしていたから料理もしていたし───本家での集まりや神社の行事などがある時は
賄
(
まかな
)
いに駆り出されていたので、洋食に似ている今世の料理より、和食の方が作れるバリエーションがあったりする。
そう───私は“醤油”と“味噌”、それから、“
味醂
(
みりん
)
”と“日本酒”を再現したいのだ。あ、“
出汁
(
だし
)
”も欲しいな。そして、“お米”。他にも細々欲しいものはあるけれど、今日のところはそれくらいかな。
それが成功したら、お菓子関係にも手を出したい。
さてと、最初は醤油から。
昨日買ってきておいた大き目の瓶を、魔法で出した水で満たす。
川の水や魔道具で出した水に比べ、自分の魔法で出した
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