暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#4
[1/2]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「ところで、この貴族章、何を
模
(
かたど
)
っているのかしらね?」
やっと二人から解放されて、元のドレス姿に戻ると、シェリアが首を傾げて言った。
「我がロウェルダ公爵家のは三日月だし、他の貴族家のもすぐに判るような形なのに、これはよく判らないわ」
「ああ、これは『雪の結晶』なの。雪の欠片って、よく見てみるとこんな感じなんだよ」
「そうなの?」
「一片一片模様が違っていて、同じ模様は一つとしてないらしいよ。私の前世の世界と同じなら、だけど」
「これ、雪なの。そう考えると素敵な意匠ね。わたくしとしては、このドレス、夜明け前の星空というイメージだったのだけれど、雪の降る夜空に見えてきたわ」
「言われてみれば、そうかも」
「しんとした静かな綺麗さ、とでも言うのかしら…。リゼにはぴったりだわ」
「…褒め過ぎじゃない?」
シェリアが大真面目に言うので───私は何だか照れ臭くなる。
「そんなことないわよ。リゼって、こう、目を惹くのよね。佇まいも所作も本当に綺麗で…。わたくしたちが意識して行う所作を、自然と行っている、とでも言えば良いのかしら」
もしかして、前世で、行儀を叩き込まれたからかな?姿勢や動作など、厳しく指導された覚えがある。
「それで、どうするつもりなの、リゼ」
「うん、まずは───【
最適化
(
オプティマイズ
)
】」
いつものように魔術式が発動し、光に包まれる。ドレスやパンプスは昨日してあるので、それほど魔力は持っていかれない。
「【
情報開示
(
ステータスオープン
)
】」
うん、やっぱりだ。装備の箇所に、“フェイスガード”という記述がある。
初めて【
現況確認
(
ステータス
)
】を見た時、これ何だろうと疑問に思ったのだ。顔に装備なんてつけてなかったから。
後で確認してみたら、何と化粧のことだった。古代魔術帝国の化粧品は、紫外線だけでなく、ある程度の攻撃からも皮膚を護ってくれるらしいのだ。…凄すぎるよね。
まあ、それで、一体何がしたいのかと言うと、使用できる魔術の中に【
換
(
エクス
)
装
(
チェンジ
)
】というものがあって、これは今手にある武器を別の武器に換えることが出来るのだけど、さらにすごいことに、登録しておけば、装備一式を取り換えることも出来るのだ。
化粧も“装備”になるなら、この魔術で換えることが可能なはずだ。
私が実行可能魔術の項目の【
換
(
エクス
)
装
(
チェンジ
)
】という文字を指で触ると、アイコンが複数並んでいるページに跳んだ。
アイコンは陰影がついた球形のシンプルなもので、赤いものと緑のものが、規則正しく並んでいる。私はそのうちの緑のアイコンに触れた。
CR‐5に装備一式を登録します───完了───【
換
(
エクス
)
|装《
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ