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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#3
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クアップ》】────【顕在化(セットアップ)】」

 自分の中の魔力が両手から流れ出て、対の小太刀へと注ぎ込まれていく。刀は形を変えていき、見慣れたシルエットへと変貌した。

 光が収束したとき、私の手には記憶通りの愛用の双剣があった。

「やった…!出来ました、レド様…!」

 これなら、きっと小刀の方も短剣に戻せるはずだ。嬉しくてレド様に笑いかけると、レド様も笑みを返してくれた。

「良かったな」
「はい、ありがとうございます。レド様のおかげです」


◇◇◇


「そろそろ、いいかな?」

 ロウェルダ公爵邸では、そろそろ朝食を終える頃合いだ。

「ネロ、お願いがあるんだけど…」

 呼ぶとネロが現れる。

「なあに?」
「あのね、シェリアにそちらに行ってもいいか、聞いてきて欲しいの」
「わかった。行ってくるね」

 ロウェルダ公爵邸の方はもう行っても大丈夫ということなので、出かける準備をする。

「それでは、これを試してみるか」

 レド様の言う『これ』というのは、“特級(エクストラグレ)支援(ードサポート)”とやらの一環で、どこからか支給してもらえた【転移門(ゲート)】という、“魔導機構”だ。

 それは───直径2mほどの魔水晶(マナ・クォーツ)で造られた円盤で、複雑な魔術式が彫り込まれていた。

 エントランスホールの使用人部屋寄りの壁際に設置したのだけど、驚いたことに、一瞬で床に同化した。私やレド様にはそこに魔術式があることが感じ取れるが、きっと他の人には判らないだろう。

 昨日ロウェルダ公爵邸を辞する前に、公爵邸の方にも【転移門(ゲート)】を設置させてもらっている。

 これを設置するために、ロドムさんやマイラさんにも、契約魔術の支援システムのことを打ち明ける必要があったのだ。

 この【転移門(ゲート)】という魔導機構は、設置された【転移門(ゲート)】同士を繋ぐことで瞬時に行き来できる、便利な代物だ。

 これはレド様か私でなければ、作動しないようになっているらしいので、ロウェルダ公爵家に迷惑をかける心配もない。


 実は、昨日、皇城を出る時、一悶着があった。門番は何か言い含められているのか、レド様が街に下りることを渋り、出るのに時間がかかったのだ。

 以前、レド様が門を出ようとした時は、成人していないことを理由に許可をしなかったらしい。なので、もう成人したことを強調して、昨日は何とか門を出られたのだが、今日は別の理由を用意していそうだ。

 こうなるであろうことは予想出来ていたので、【現況確認(ステータス)】で色々調べて、事前に、門を通らずに外に出る策を講じていた。

 【転移(テレポーテーション)】とい
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