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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#3
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だが…」

 レド様が思い出したように言った。

「ええ。その方が身体能力が上がるので」
「そうなのか。…今度やり方を教えてくれないか?」

 というか───魔力で底上げしていないのに、あれだけ動けるレド様はすごいです。

 【身体強化(フィジカル・ブースト)】という魔術が使用可能になったけど、あれはまだ試せていない。
 使い勝手が悪かったり、人前では使えないということもありえるから、レド様にも魔力を使った身体強化を覚えてもらった方がいいかもしれない。

「解りました。落ち着いたら、一緒に練習しましょう」

 魔術を使えない時はやはり魔法で戦うしかないので、これからも魔法を使う鍛練は欠かさないようにするつもりだ。

 早く魔術を試しに使ってみて、有用な魔術を絞らないといけないな。魔術を組み込んだ戦い方も研究しないと。

 それに、刀も久しぶり────というか、今世では初めて使うし、刀を使った鍛練もしなきゃ。
 
 あ───そういえば、剣もまた調達しなきゃ。愛用の双剣と対の短剣が【最適化(オプティマイズ)】で勝手に“小太刀”と“小刀”に変わってしまったので、代わりの剣を用意しないと。
 どちらも思い入れがあって、すごく気に入っていたんだけど…。

 思わず溜息を()くと、レド様に気づかれてしまった。

「リゼ、何か気に病むことでもあるのか?」
「あ…、いえ、気に病むというか…」

 剣のことを話すと、レド様は少し考え込んでから、口を開いた。

「カタナとやらは、リゼの前世の故郷独特の剣だと言っていたな。ということは、あれはリゼの前世の記憶を読み取って、造られたものなのだろう?ならば、リゼの記憶から、また双剣に造り直すことは出来ないか?」
「!!」

 目から鱗だ。確かに、そうだ。試してみる価値はある。

「ありがとうございます、レド様。食べ終わったら、早速試してみます」



 朝食後、後片付けをしてから、エントランスホールに移動する。

 エントランスホールは、明るくて、何も置いていない広い空間があるので、作業するには一番いい。

 私は双剣だった“対の小太刀”を両手で持ち────えぇっと、確か…

「【潜在記憶(アニマ・レコード)】検索────」

 使いたいと意識するだけで発動はするはずだが、初めて試すときは、やはり何となく声に出してしまう。

 足元に魔術式が広がり、その光がふわりと私を包み込む。私は固く目を瞑り、双剣のことを思い描く。

 すると、頭の中に持ち手やガード、刃の形などが鮮明に思い浮かび、鞘の色や質感、腰に提げている時の感じや、手に持った時の重さ、斬った時の感覚が次々と甦ってきた。今だと感じて、唱える。

「【|抽出《ピッ
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