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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#2
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ラナ姉さんが、
狼狽
(
ろうばい
)
して叫ぶ。
「と、とりあえず、レド様を呼んでください……」
◇◇◇
「リゼ、その格好は…?いや───すごく似合ってはいるが…、一体、何があったんだ?」
「それが───私、“
聖騎士
(
グローリアス・ナイト
)
”とやらになったらしいです……」
「は?」
私はレド様に、貴族章を手に取ったら、いつものアレが発動したことを話す。
「貴族章に使われているこのメダルは、“
聖騎士
(
グローリアス・ナイト
)
の証”とやらみたいです……」
「………俺は昨日から何度驚かされているんだろうな…」
私も同じです、レド様…。
「それで、どういうことなのか、説明してくださるかしら?」
待ちきれないというように、シェリアが口を挟む。
「夜会の件を終えてからと考えていたが、もうこうなったら、説明してしまった方がいいな」
レド様が、溜息を吐いた。
シェリア、ラナ姉さん、ミレアおば様、シルム、カエラさん、マイラさん、ロドムさんにこれまでの経緯を話す。
話す人選については、予め、おじ様に相談した上で決めていた。
シェリアとラナ姉さんとは深く関わっているから隠しておけないし、現状、どうしたってロウェルダ公爵家を頼ることになるので、おば様やシルムだけでなく、シェリア専任の侍女であるカエラさん、侍女長のマイラさん、家令のロドムさんには伝えておいた方が都合がいい。
「あの儀式で、そんなことになっていたなんて…」
シェリアが誰にともなく呟く。
「わたくしとマイラが契約を交わした時は何も起こらなかったのよね。マイラの忠義もわたくしの信頼も十分だったはずだけど…。その発動条件って何なのでしょうね?」
マイラさんは、ミレアおば様の元親衛騎士なのだ。ロウェルダ公爵家へ降嫁するにあたって、おば様が皇族でなくなったため、親衛騎士ではなくなったのだけれど、おば様を護るためにロウェルダ公爵家の侍女として再就職したのだそうだ。
「おそらく、魔力量は確実に条件の一つではないかと」
レド様が答える。
「まあ、そうなの。わたくし、魔力はそんなにないものね、残念…」
「奥様、契約魔術などで繋がらなくとも、私はこの命尽きるまで、お傍でお護りいたしますよ」
「ええ、もちろん解っているわ。ありがとう、マイラ」
「それにしても、貴族章がそのようなものだったなんて…。我が公爵家の貴族章もそうなのよね?」
「多分。でも、これまで発動してしまったことはなかったのかな?」
「単独で発動するのは、無理なのではないか?リゼの説明を聞いた限りでは、あの例の声が主導したのだろう?リゼの推測通り、これが特殊能力【
案内
(
ガイダンス
)
】なのだとしたら、この能
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