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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#1
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るし、何よりリゼに似合っているわ。首元には、貴族章をつけるのよね?」
「うん。これなんだけど───」

 私は、【(リモ)(ート・)(コント)(ロール)】でレド様より下賜された貴族章を箱ごと、取り寄せた。

 おじ様の執務室で見た時から思っていたんだけど、このメダルの意匠、どう見ても雪の結晶だよね。

 この世界の雪を意識して見たことがなかったけど───やっぱり前世の世界と同じ構造なんだろうか。

 しかし、この聖結晶(アダマンタイト)で造られた雪の結晶は、前世の映像で見た“ダイヤモンドダスト”のように煌いて、本当に綺麗だ。

 この雪の結晶というモチーフは、聖結晶(アダマンタイト)という素材にすごく合っていると思う。

 そして、そのメダルを囲うように、メダルを模して作られた(ステラ・)(シルバー)の装身具が並べられている。

 メダルの方はお披露目や式典など特別な時につけ、それ以外────登城した時や夜会などに出席する際は、メダルを模したこの“模造章”を身に着けるのが習わしだ。

 ファルリエム辺境伯家は、(ステラ・)(シルバー)で作ったようだが、どの素材で造るかは貴族家によって違う。当主ごとに造り替える貴族家もあるらしい。

 ただ、模造する際、偽造を防ぐため、どこかに聖結晶(アダマンタイト)の欠片を埋め込むことになっている。

 ファルリエム辺境伯家の模造章は、中心には少し大きめの円い欠片が埋め込まれ、その周囲を円を描くように模様に沿って、粒状の欠片が3つずつ埋め込まれていた。

 (ステラ・)(シルバー)も雪の結晶というモチーフには合っているし、聖結晶(アダマンタイト)との組み合わせもとてもよく合っていて、これ単体でも宝飾品として完成されている。

 まあ、でも今回はこのメダルを身に纏わなければならない。
 私は、聖結晶(アダマンタイト)で作られたメダルを、そっと手に取った。

 その瞬間、あの聞きなれた抑揚のない声が頭に響いた─────


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