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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第四章―ロウェルダ公爵邸にて―#1
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、凝視していた。レド様がぎょっとしているのが、新鮮だ。
「丈夫になってる…。───っ殿下!もしかして、これ、リゼも出来るんですか!?」
「あ、ああ…」
「何てこと…っ!今まで、丈夫さばかり優先して生地を選んでいたけど、これなら、これなら…!!」
叫び出したラナ姉さんに、レド様は困惑している。
「リゼにもっと色々なものを着せられる…っ!」
「っ!そうだわ、そうよねっ、ラナ!いつも黒ばかりになってしまっていたけれど、こんなことができるのなら、別の色でも良いのよね…っ」
「相談に乗っていただけますか、シェリア様…っ!」
「勿論よっ。二人で、リゼに似合う色を考えましょう!!」
え、何、二人とも、私が黒ばかり着ていることをそんなに気にしてたの?
……レド様、何で参加したそうな顔をしているんですか?
◇◇◇
レド様に宛がわれたのは、黒地に繊細な銀糸の刺繍が施されたジャケットに、ジャケットと揃いで作られた白地に銀糸の刺繍が施されたベスト、それにオーソドックスな黒いスラックスだ。
それから、シンプルなアスコットタイを締め、
星
(
ステラ・
)
銀
(
シルバー
)
の台座に
蒼鋼玉
(
サファイア
)
が載せられたピンブローチを留めている。
「レド様は、何着てもカッコいいなぁ…」
右眼の目元を赤く染めて、レド様が顔を逸らした。あれ───今、私、声に出してた…?
周囲を見回すと、皆、何だか生温かい目をしている。私は恥ずかしくなって、顔を両手で覆った。
「ほら、今度はリゼの番ですわよ」
くっ、シェリアのその微笑まし気な笑顔が心に刺さる。
と、とにかく、時間がないのだから、気持ちを切り替えよう…というか、忘れてしまおう。
「私は、セアラ側妃様のドレスをお借りできたから───」
「リゼ、貸したんじゃない、譲渡したんだ。ドレスも装身具も───いや、それだけでなく、あの部屋にあるものは、すべてリゼのものだ」
レド様が私の言葉を遮り、訂正する。う、何だか、周囲の視線がまた生温かくなった気がする…。
「……レド様、ありがとうございます。───ええっと、それで…、セアラ側妃様のドレスをいただけたので、私はそれを着たいの」
「解ったわ。それでは、見せてちょうだい」
◇◇◇
「これ、いいわね」
男性陣には遠慮してもらって、今は女性だけで試着を繰り返していた。
シェリアが気に入ったのは青紫のドレスだ。型はオフショルダーでプリンセスラインのオーソドックスなタイプだが、粒状の
星
(
ステラ・
)
銀
(
シルバー
)
が散りばめられていた。
【
最適化
(
オプティマイズ
)
】をしたので、私の体形に沿っている。
「これなら、殿下のどちらのお色も入ってい
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